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渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

渋谷区議会議員選挙を含む「統一地方選挙」がまじかに迫ってきました。こんな記事がありましたのでご紹介します。政党「減税日本」の状況です。


自治体議会:都市部 「風」頼みで議員団自滅(毎日新聞 15/01/19)


都市部で自治体議会が荒れたり、議員が不祥事を起こしたりするケースが目立つ。無党派層の有権者が政党の訴えに共鳴し、突風のような追い風で資質を欠く議員が多数誕生することが、背景の一つとみられる。地方で議員のなり手不足が深刻化する一方、都市部は「風の副作用」に苦しんでいる。

「議員報酬半減」を掲げる減税日本(代表・河村たかし名古屋市長)は、名古屋市議会(定数75)のリコールを受けた2011年3月の市議選で28人を当選させ、最大会派に躍り出た。あれから4年。いま市議団は11人しかいない。

 「委員会があるから出ろと言われて、何を持って行くかもわからない。『××住宅の問題で予算書の○ページを』と突然言われ、もう何もわからない」。28人のうちの一人は4年前を振り返る。

 当選した28人中27人が新人。しかも、唯一当選3回で市議団長を務める市議が、11年6月に政務調査費(政調費)の不適切処理問題で議員辞職する。繰り上がり当選した減税日本の市議も新人で、ついに28人全員が新人となった。

以下、どんどん議員が離党していく過程が描かれています。正直「おいおい」と思ってしまいましたが…
議会というか、行政は一般と全く違う体系で成り立っているので、ある程度経験がないととても難しいです。それが、議会運営に大きな影響を持つ大会派になったのに新人ばかり、基本もわからない。これは大変だったろうなぁと。特に、政調費の問題が頻発しているのはいかがなものか…と思います。

新人とは言え、住民に負託されて対等な立場で活動するのですから、最低限の知識は身に着けておいてほしいものですね。

政党所属の候補者は、ある程度政党の選考がありますし、先輩議員などからそれなりにレクチャーやらお説教(笑)やらの機会があるのでそれなりに何とかなるのかもしれません。

ということで、私が新人時代に先輩に言われた内容を簡単にまとめてみます。



<新人候補者に求められる知識など>


書いてみて改めて、結構多いなぁと思いました。まぁ、それだけやらないとついていけないということかもしれません。やっておくといいと思います。

 

  • 直近1年分の本会議(代表・一般質問)はできるだけ傍聴すること
  • 直近4年分の所属委員会議事録(所属委員会が決まってから)

あたりまえですけど、議会を変えよう! というのですから、現状を知らないとだめです。選挙に向けた活動で忙しいのかもしれませんけど、議会を疎かにするのは本末転倒です。いまのところほとんどの新人は見ませんが…

  • 渋谷区史
  • 渋谷区議会史

これらの「歴史書」は物凄く分厚いです。が! 歴史的背景を知っておくことは、堅実な議論に必須です。全ての物事、きまりごとにはそれなりの理由があるのです。
例えば、渋谷川の蓋を開けよう、みたいな議論がありますけど、長年区も議会も「蓋かけ促進」で進んできたんですよね。こういうのを押さえておくのは大事。



  • 憲法・民法・地方自治法・地方公務員法の基礎

法を知らなくて法(条例)を作れるわけがありません。


  • 特別区職員ハンドブック

  • 東京都教職員ハンドブック



これらはレファレンス本としてもっておけばいいけれども、さらっと項目を読んでおき、関心のあるところはじっくり読むと、政策づくりにも使えます。

特別区職員ハンドブックはAmazonには要約本しかありませんでした。都庁の三省堂で買えますので、政治資金収支報告書を提出する時にでも買っておくとよいと思います。

  • 予算概要、人口・面積・その他基本データ
  • 住民サービスの概要
  • 主な施設

基本データは必ず押さえておくべき。

 

  • 議会関係の例規集
  • 議会の先例集

議会では、様々なルールをどう使いこなすかが「武器」になります。その議会議会でルールや前例は違うので、当選直後に読み込んでおくことをお勧めします。場合によっては議事録にあたってどういう風にその前例ができたか、そのルールが使われたかを見ておくとよいでしょう。



以上は、私が渋谷区議会議員に初当選した前後に先輩議員(民主党だけじゃなく)から教わったことの一部です。これらの基礎知識の上に、それぞれの理想や問題意識に対応した政策があるわけですね。

本当に勉強は大事です。実にしんどかったけど、私は候補者時代~当選直後くらいであらかた勉強できたので、何とかスタートダッシュできました。

世の中を良くするために、今度渋谷区議会議員選挙に立候補する方には、ぜひ頑張って勉強して欲しいなぁと思います。