PAK95_shibuyaskshingoumachi201410181137202500

渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

本日13時30分~総務区民委員会が開かれ、16時過ぎまで補正予算と「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の審議が行われました。

多様性社会推進条例について、簡単に議論をまとめておきます。聞き書きなので、誤解もあるかもしれません。正確には議事録の作成をお待ちください。

 

要約して、「議員側質問→行政側答弁→(議員からの要望事項)」の形で書きます。

なお、条文は条例案全文をご覧ください。

 

その他、多様性社会推進条例(パートナーシップ証明書を含む)の一連のブログ記事は、こちらをご覧ください。

タグ:多様性社会推進条例・同性パートナーシップ証明書

 

 

<条例提出の経緯・条例検討会について>

(冒頭、部長より、総務区民委員会報告よりも報道の方が先行したことについて謝罪)

  • 6月予算で「(仮称)渋谷区多様性社会推進条例」制定検討会(以下条例検討会)の予算がついたがその議事録は→後ほど委員会で見せる
  • 1月20日に条例検討会の報告が区長に対してあり、その後2月12日に条例提出が報道されたが拙速では→申し訳ない
  • 条例検討会にはどのような議論を当初求めたか→男女、性的少数者、異文化、外国人等。男女平等という概念は浸透しているが、性的少数者の人権尊重はあまり浸透していないので、重点の一つになった
  • 特に男女と性的少数者に絞ったのは→男女平等社会推進がベース、性的少数者はこどもの自殺や不登校などにもつながる
  • 条例検討会での性的少数者当事者意見聴取は→30代心男体女の方:入園式の時スカートをはかされて苦しんだ。未来に希望を持てない。自殺も考えた/30代心男体男好きな人男の方:小学生の時気づく。本で調べて異常性愛と書いてあった。自分を隠して生きてきた。学校の外で仲間を作らざるを得なかった。好きな人と結婚できない。
  • 条例の必要性について→性的少数者の中高自殺率は通常の6倍との報告あり。当事者意見で不動産、手術などでの問題

 

<パートナーシップ証明(10条)について>

  • 虚偽記載等の扱い、同居を望まない場合、解消の扱いは、再発行についてなど→完璧なものだとはいえない。一つづつ渋谷区男女平等・多様性社会推進会議(14条、以下推進会議)で検討して規則にする→(諸課題は今後総務委員会でも検討してとりまとめたい)
  • 条例で言う公序良俗に反するとはなにか→すでに結婚している場合、真摯でない場合、詐称している場合など
  • 2通の公正証書の取得費用は→任意後見1万5千~2万円。共同生活は1万円前後。内容・分量による→(低所得者への配慮も求めたい)

 

<女性団体との関係、女性センターアイリスの移行について>

  • 女性団体は独自の男女平等条例試案まで作っていた。理解は得ているのか→条例検討会に代表が入っている。試案も逐条解説してもらい、ほとんど取り込んだ
  • 女性センターアイリスが「男女平等・ダイバーシティセンター」に移行するのは女性団体の了解を得たのか→了解を得ていきたい
  • 女性センターアイリス自体が永年体制拡充の要望が出ており、また条例試案を作らざるを得ない状態だった。役割が増えるのならば、施設の体制充実を図る必要がある→後退はあってはならない。組織を拡充、室も充実していく。推進会議の意見を聞く

 

<その他>

  • 「同性婚を禁止する憲法に違反する」等の誤解があった。丁寧に啓発すべき→十分丁寧に啓発する
  • 事業者の範囲は(2条)。宗教団体など、相反する価値観の団体は含むのか→合理的な理由があれば除外
  • 男女の人権尊重について(3条)→講演会など啓発事業を行っていく
  • 性的少数者の人権尊重について(4条)とくに学校→教師、児童生徒への啓発を行っていく
  • 顕彰される顕著な功績とは(13条)→未定→(他の表彰規定もあるので、厳格に運用してほしい)
  • 推進会議(14条)の構成は→学識経験者、女性団体、性的少数者団体、区民等→(区民は公募を求める)
  • 区の勧告に(15条)従わない事業者の公表は難しいのでは→よっぽど悪質な場合のみ、推進会議の意見を聞いて対応→(できるだけ慎重に運用すること。指導勧告を強化してほしい)

————————————–

なお、委員会開会中に、公明党の沢島委員から「付帯意見を付けてはどうか」との提案がありました。付帯意見を付けるということは賛同しようということでしょう。検討します。なお、付帯意見の内容は、(1)規則策定に関し委員会報告を担保すること(2)条例運用について丁寧・公平・厳正に行うこと、です。

付帯意見が付くと、法的拘束力はありませんが、行政には政治的に従うことが求められます。ですから、担保を取っておくという感じです。

 

概ね各委員ともこの条例の意義・重要性については認めていた、と思います。あくまで私の感想です。

次、委員会で取り上げられるのは、各会派の意見表明&多数決の日。

その後、本会議で多数決で議決して決定です。さて、どうなりますやら。