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渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

資料として、渋谷区長の所信表明(渋谷区議会開会にあたり、冒頭での演説)に取り上げられた、「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」についての部分を抜き書きしておきます。

参考にどうぞ。

(今までの関係ブログ)

【速報】「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」について(2月23日)

渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例(ほぼ全文)(3月3日)

 

その他、多様性社会推進条例(パートナーシップ証明書を含む)の一連のブログ記事は、こちらをご覧ください。

タグ:多様性社会推進条例・同性パートナーシップ証明書

 

 

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はじめに、「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」について申し上げます。
本区では、今後さらに進むグローバル化社会や多様性社会を見据え、また、区議会議員のこれまでの本会議におけるご提言を踏まえ、ひとりひとりの個性の違いが受け入れられ、尊重される街づくりを行うための指針となる条例を制定するため、有識者や法律家を招いて検討会を設置し、九回にわたる調査・検討をいただき、今回、本条例案を提出しました。検討会におかれては、広く諸外国の状況や法制について研究され、真摯に議論を重ねられました。海老原委員長はじめ各委員に心からお礼申し上げます。

振り返ると、渋谷区の文化は他者を思いやり、尊重し、互いに助け合って生活する伝統と、多様な文化を受け入れ発展してきた歴史があります。とりわけ渋谷は、様々の個性を受け入れてきた寛容性の高い町であります。そのなかで、ひとりひとりの違いが新たな価値の創造と活力を生むことを期待し、発展してきた町であります。

このことから渋谷区は、男女共同参画社会の実現を目指した行動計画を策定推進し、男女平等尊重に積極的に取り組んでまいりました。しかし、他方で性同一性障害(体の性と心の性が一致しない人)など、性的マイノリティの問題は、特定個人の問題として教育あるいは職場、あるいは家庭内で取り扱われてまいりました。そのためマイノリティのこどもたちは、周辺の人々や友人に暖かい理解も得られず、異端視、否定、揶揄、嫌悪の対象とされるため、「あるがままに生きること」に恐怖心を持っております。また、未来の展望も描けず、自殺、自殺未遂、不登校に至る事例もあると、検討会に出席した参考人のお話しであります。性的マイノリティの問題はいまだ医学的に解明されておらず、自己責任の問題として、社会的な温かい支援もなく孤立して絶望のままに生きております。それゆえ早い段階から、教育や職場など社会において、人間の性の多様性について肯定的な啓発が重要であると考えます。
区も、社会も、さらに国もこれらの声のあげられない人々に暖かいメッセージを発信し、性的マイノリティのこどもたちの自尊感情や自己肯定感を高め、合せて人権感覚を育む大切な機会にしなければなりません。
また、成人となった後にも、入院や病院、住居や選挙など生活において様々の差別や社会的な困難が想定されます。
このため、「パートナーシップ証明」は、法律的拘束力はありませんが、発行要件、発行手続きを明確にし、区民や事業者の施策への協力を積極的に働きかけてまいります。
そのため男女差別のみならず、性的少数者のために「相談窓口」を設け、当事者の方々から悩みを受け止め、かつ専門的な事項については「渋谷区男女平等・多様性社会推進会議」の助言を受けながら的確に進めてまいります。