渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

お越しくださいましてありがとうございます。

 

うちの子小学4年生なので、先週「山中移動教室」に行ってきました。二泊三日の宿泊校外学習行事で、山中湖にある渋谷区の施設「山中高原学園」にて行います。

行きはめんどくさいとブツクサ言ってましたが、本当に楽しかったようでいろんなトラブルの話をしてくれました。体験したことについては「風穴と氷穴いったよ。涼しかった」だって。まあお友達との交流が楽しいのだよね。

 

さて、実は渋谷区立学校の4年生のこの行事、今年で最後です。加えて、5年生の行く「富山臨海学園」も今年で終了です。

 

理由は大きく二つあります。簡単に説明します。

 

教育面

 

体験学習の充実

新学習指導要領には、自然体験など体験学習の充実がうたわれています。

 

単なる宿泊行事ではなく、学習の一貫としての取り組みが求められていたのです。

 

ところが、山中も富山も単なる宿舎。管理人はいるものの、体験学習のプログラムが充実しているわけではありません。さらに雨天などイレギュラーな事が起こると対応できず体験学習としての質が一気に下がってしまうのも大きな課題でした。

 

少なくとも、感想が「風穴行ったよ。楽しかった」ではちょっと・・・。単なる宿泊行事ではなく、普段の学校生活ではなしえないようなチャレンジをする機会になることが求められています。

 

 

先生の経験

学校の先生は教科指導や生活指導のプロではあっても、体験学習の専門家ではありません。全く違う資質を要求される移動教室棟ではむしろ児童・生徒を管理するのが手一杯になってしまう…というのが実情です。イレギュラーな事態にも対応できないでしょう。

 

これをカバーするのは経験ですが、当然ですが経験には差があります。ベテランの先生であれば多少はなんとかなるでしょうが、若手の先生には荷が重いですよね。あるいは渋谷区に転入してきた先生では、初めての施設で苦労することになるのは変わりありません。

 

突然天候が変わったら? こどもたちがケガをしたら? 野生動物に遭遇したら? ハチやマダニに刺されたら? もちろん専門家でも困ることはあるのでしょうが、ふつうの先生にイレギュラーな場面で責任ある対応を求めるのはなかなか酷なことだと思います。

 

 

施設面

 

老朽化

どちらの施設も私も小学生の時に行きました。そう、とても古いのです。

 

どちらも昭和39年開設。改築などはありますが、それでも近年はさまざまな不具合があって毎年のように「来年はここを直さなきゃ」「クーラー入れよう」みたいな議論が起こってました。追加の投資を行うか否かの判断が迫っています。

 

雨に弱い

もう一つ、どちらもホールが小さくて「雨の日にやることがない!」という大きな課題がありました。

二泊三日の全日程、ずーっと雨続きのケースも少なくありません。何もできなくて本当にかわいそうでなりません。「不運だったね」で片づけていいのでしょうか?

 

このように教育的効果が激減するリスクが大きい状態は改めなくてはなりません。

 

契約見直しのタイミング

加えて、山中は今年が土地の賃借契約の更新年。続けるのか改めるのか、決断しなければならないタイミングでした。

また、富山も管理人さんが高齢で続けられなくなりました。

 

どちらも契約を更新したり新しい方を雇ったりすればよい事ではありますが、見直す大きなきっかけのひとつです。

 

危険性(富山)

富山施設は当該自治体の津波ハザードマップにて危険とされた地域にあります。直ちに危険とは言いませんが、これも一つの課題として認識されていました。

 

 

解決策:専門施設の活用

 

以上の課題を背景に、「集団宿泊的行事の見直し」が行われ、山中・富山については今年度を限りに閉鎖し、来年度からは国立の自然体験学習専門施設を中心に実施することとなりました。

これなら

 

体験学習の充実:現地専門家の指導のもと充実したプログラムが組めるようになる

先生の経験:現地専門家がサポートするので、経験の浅い先生でも安全に実施できるようになる

雨に弱い:国立の非常に大きい施設であり、雨天時のプログラムも充実している

財政面:莫大な追加投資は必要ない

 

と、上の課題はすべて解決することになります。

 

もちろん廃止によって

  • 親子の共通体験とはならなくなる(区立小中出身であれば)
  • 学校行事で使っていない時期は青少年団体などが使っていたが使えなくなる

などがあるのも事実です。

 

しかし、施設の本来的な存在意義は「こどもたちの成長」の一点。その役割をもっとも効果的に果たすために最善の方法を考えていくと、山中・富山ではもはや難しいといえるでしょう。

 

今後の見通し

既に来年度の校外学習については各校で検討が進んでいます。というのも、国立の施設は公立学校は1年前から優先予約ができるためです。

 

委員会で名前があげられたのが

などです。

 

ちょっと活動のページ(参考に妙高をリンクしておきます)をご覧いただきたいのですが自然体験教育専門施設なので、モデルとなるプログラムも雨天時含め充実。学校の方向性によって細かく宿泊行事を設計できるので、こどもたちへの教育効果は今までと比較にならないほど向上すると期待しています。

 

実際、私もうちの子を連れていくつかの自然の家のプログラムに参加したのですが、とても楽しくてためになる教育プログラムでした。一発でファンになり、こどもが小学生に上がるまでは匿名でこれらの施設の一般公募イベントを収集するブログを作っていました。

 

それだけ、自信を持ってお勧めします。ただ、館長の方針によってよしあしがあるなぁとも感じていたので、その辺は数年かけて関係を構築していく必要があるとは認識しています。それでも、いまより格段に良くなるはずです。

 

なお、費用はおおむね変わらないだろう(学校がスキーなどを選択するとちょっと増えるかも)、日程的には4年生が1泊2日に変更されるだろう(指導要領改訂による)、ということも併せて示されました。

 

10月17日の渋谷区議会文教委員会で採決が行われた後、10月22日の渋谷区議会本会議で最終結論が出ます。ご意見がありましたらそれまでにお寄せください。