渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

 

昨年4月26日の選挙で当選し5月1日にスタートした長谷部区政。はや1年がたちました。

「何をやっているのかわからない!」との声もちらほら耳にしますので、長谷部区長が渋谷区長選挙のときに掲げた政策の進捗をまとめました。どうぞご確認ください。

ちなみに・・・長いです(^-^;

 

区長は大変だよなぁ、こんな多岐にわたる政策ビジョンぶち上げなきゃならないとは…

 

1、調査概要

 

  • 検証対象:区長選挙前に公表した「ハセベケンの会新聞」(2015年3月30日発行。以下「公約」と書く)を対象とする
  • 進捗:平成27年度実施事業、議会答弁、2016年予算計上施策、公表された実施計画等に盛り込まれたか否かを「進捗」とする
  • 検証方法:浜田ひろき・前渋谷区議に比較調査を委託。その結果を基礎に、私(鈴木けんぽう)が評価やコメントを加えた
  • 公約は「もっともっと、人がつながる渋谷区へ」16項目「もっともっと、住みやすく新しい街、渋谷区へ」18項目の合計34項目。2テーマについて、評価順に掲載
  • ◎(大きく進んだもの・高い水準を維持しているもの)は9項目。○(着手したもの・継続して進めているもの)は11項目。×(進んでいないもの)は14項目。

 

→結論:就任一年目としては十分着手していると言える

 

 

実を言えば、公約としては「インクルージョン」とか「ダイバーシティ」といった項目はありません。

裏にあるテーマと言う感じで、前面には出ていませんね。特別支援やホームレス対策に出てくるくらいで。意外でした。

 

ちなみに、かなり進んだといえるのはこちら。

かなり進展した項目(◎評価の項目)

  • ホームレス支援事業
  • コミュニティFMを設立
  • トップレベルの小中学生を海外短期留学へ
  • スペシャルライツ(特別な権利)を持つ子どもたちについて
  • 保育園、幼稚園、認定こども園で先進的な乳幼児教育の導入
  • 質とともに量も。保育機能の拡充
  •  放課後クラブの時間延長
  • 最先端の環境配慮がされた新区庁舎を
  • ペットとの同行避難

 

ということで、以下個別の項目について評価しています。

長いので、興味のある項目だけどうぞ(^_^;)

公約と比較して読むと面白いかもしれません。

 

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※個別の項目については、◎○×順です。

 

2、テーマ「もっともっと、人がつながる渋谷区へ」の評価

◎  ホームレス支援事業

“(公約より)支援団体等と連携し、チームの核になっていただく。メンタルヘルスの側面も重要。行政がマイノリティに扉を開き始めた今がチャンス”

<実施状況と評価>平成27年にNPOやホームレスを支援している方々と連携し、勉強会としての渋谷区ホームレス支援プロジェクト会議を立ち上げ、28年予算で「ハウジングファースト事業」に2800万円計上。ダイバーシティ・インクルージョンの一環と位置づけ。ハウジングファーストとは、安心して暮らせる住まいの確保を最優先にし、そこで安全・安心を確保したうえで適切な支援につなげるもので、欧米では主流になっている考え方です。支援プロジェクト会議の指揮者提言を踏まえたものです。

都・特別区共同事業との関係や就労支援への展開が課題。

 

◎コミュニティFMを設立

“(公約より)災害時の情報伝達、地域コミュニティ活性化に役立つ。まちのブランド力を生かす”

<実施状況と評価>区政情報の発信力を強化のためとして、28年度予算に「コミュニティFM 広報番組制作・放送」2300万。4月より「渋谷のラジオ」開局。早期に実現したと言える。

ただし、かつて存在したコミュニティFMは渋谷区の委託番組が終了し閉局を余儀なくされた経緯がある。独立採算で続けていけるのか、続けていけないとしたらどこまで区が支援するのかが長期的な課題。

 

◎トップレベルの小中学生を海外短期留学へ

“(公約より)中学生のシリコンバレー留学、少年サッカーの欧州、少年野球のアメリカ派遣。指導者も同行し指導方法に活かす”

<実施状況と評価>平成28年度予算で「児童・生徒の海外派遣研修(シリコンバレー、フィンランド、中華人民共和国)」に3400万円。既実施分に加え、シリコンバレー青少年派遣研修では区立中学校各校2名の計16名が派遣され、スタンフォード大学や世界最先端企業での現場体験が行われることになっている。また、「渋谷イングリッシュ」「ICT教育」を今後実施。

多様な子どもの能力や意欲、将来の夢に合わせ芸術などにも今後拡大していきたいもの。また、選考方法に課題。

◎スペシャルライツ(特別な権利)を持つ子どもたちについて

“(公約より)さまざまな個性を持つ障害児は世界ではスペシャルライツと言われている。統合保育を充実”

<実施状況と評価>平成28年予算に「情緒障害等通級指導学級の増設」、「通級指導学級の教員の巡回指導」などが盛り込まれる。今後ギフテッド教育(ある能力が優れすぎるために周りと浮いてしまうこどもの支援)の研究などを宣言。

着実に進行していると評価。

 

◎保育園、幼稚園、認定こども園で先進的な乳幼児教育の導入

“(公約より)世界的に知識活用の豊かさを目指す教育へと変化。教育改革は幼児教育から”

<実施状況と評価>平成28年予算に「先駆的幼児教育・保育の研究」に700万円が計上されるほか、職員等の海外視察を先駆的、特徴的な幼児教育や保育を実施している現場を研究する事業に転換、また渋谷区幼児教育プログラムの改定など着実に進行。今後レッジョエミリオやシュタイナー教育といった新たな教育など研究すると宣言。

 

◎質とともに量も。保育機能の拡充

“(公約より)施設の開設を進める。小規模な暫定園も設置。幼稚園の預かり保育も拡充”

<実施状況と評価>平成28年予算に「保育施設の充実・待機児童対策事業」に25億1200万円、「保育施設賃借物件に係る賃料補助の上乗せ加算」に4000万円など。平成28年度内で360人の定員増が実施され、31年までに合計,1,564人の定員増が計画されている。また、保育士確保に向けても対策が取られ始めている。

ただし、周囲の自治体からの流入がある限り、渋谷区内での保育定員増は必ずしも待機解消には当面つながらない。今後、保育の需要調整(ニーズを早期に確定させ、的確に対応できる体制)が必要ではないか

 

◎放課後クラブの時間延長

“(公約より)共働き家庭の支援”

<実施状況と評価>4月より放課後クラブの時間延長が実現。 【学童保育の待機問題】が他自治体で深刻になる中、全児童対策としての放課後クラブは待機が出ない点は有利であるものの、保育に欠ける子の対応としてはまだまだ手薄なため、質の向上が求められる

 

○ 福祉のテーマは超福祉!

“(公約より)障害者などについて経験不足や意識の壁があることを課題とし、NPOピープルデザインと連携し交わることをよしとする行政に変える“

<実施状況と評価>  渋谷区は平成27年11月に「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」をNPO法人とともに共催。 現状はスローガンに留まるが、NPOや民間企業との区政への接点が拡大して良い効果が見込めると期待。

 

○予防を重視

“(公約より)医療費補助と合わせて予防にも今まで以上に取り組む。高齢者ジム利用補助、ヨガやダンスストレッチマッサージ整体などにも補助。健康診断も年に1回区が負担”

<実施状況と評価>「ワクチン助成」に9億7000万円は継続。これまで通り全国で最高水準の助成が行われている。各利用料補助については慎重に検討する必要があるのではないか?

 

○スポーツセンターのリニューアル(民間並みのサービス)

“(公約より)施設をコミュニティの中心に。女性や障害者も使いやすい施設に。トップレベルのスポーツに触れられる場に。150エリアにもう一つ”

<実施状況と評価>28年予算で「スポーツセンターメインエントランス・大体育室床改修」に1億8500万円を投じ、バリアフリー仕様に。渋谷地域での整備やコミュニティづくり的な部分については含まれていません。食堂事業者も健康に配慮した事業者に。

ハード面で着手したところ。ソフト面の改善、150エリアの設置は今後の課題。

 

○商店街活性化プロジェクト(歩行者天国、落書き天国等)

“(公約より)桜新町などは恒常的に歩行者天国イベントを行うことで商店街が活性化している”

<実施状況と評価>「歩行者天国等のにぎわい・交流事業の実施に向けた検討」が行われている。

歩行者天国は賑わいになる一方地元住民との軋轢が生じることがあるので慎重に進める必要がある。

 

○特別養護老人ホームの増設

“(公約より)なるべく区内に増設したい”

<実施状況と評価>前区長が進めた整備計画が進められている。 渋谷区内で適地を探すのはなかなか難しいので、区内にこだわる限り大幅な改善は難しいと思われる。

 

○コミュ二ティの拠点としての保育園、幼稚園、認定こども園

“(公約より)保育施設を保育の中心に、そして老若男女集まる地域コミュニティの核にしたい”

<実施状況と評価>地域子育てコーディネーターを保育課に配置していく計画。 重要な観点。子育てに多様な視点が入ること、多様なアクターが参加することは極めて効果的。ただし、防犯や保育施設の対応能力に課題がある。

 

×高齢者施設の増設

“(公約より)高層ビルにボーナスを与える代わりに高齢者施設を”

<実施状況と評価>公約にあるような大規模開発と結び付けた施設整備の仕組みづくりは未着手。

 

×渋谷区隣人の日

“(公約より)年に1度近所の人と持ち寄りパーティを!”

<実施状況と評価>新しいコミュニティの模索は必要だが特に進んでいない

 

×幼稚園/保育園と水泳教室

“(公約より)週に1、2回近くにあるプールを活用。こどもたちの体力作りを応援”

<実施状況と評価>特に進んでいません

 

3:テーマ「もっともっと、住みやすく新しい街、渋谷区へ」の評価

 

◎最先端の環境配慮がされた新区庁舎を

<実施状況と評価>スマート庁舎に必要な設備として、主な省エネ関連設備を設けることが区議会の委員会などで報告。前区長時代に決定した計画ではあるが、独自の視点は特に盛り込んでおらず、行政サービスの在り方見直しなどが必要

 

◎ペットとの同行避難

<実施状況と評価>ペットフード・リード等の備蓄は予算に計上、ペットの同行避難を原則と打ち立てるが、ルールづくりなどは検討中

 

○園庭/校庭の芝生化

<実施状況と評価>長谷戸小学校が芝生化する予定。

区立学校の校庭の芝生化は管理の難しさから上手くいっていないケースが多く、全校実施には課題山積

 

○民間企業との協業に対してのシステムづくり

<実施状況と評価>民間副区長の登用のほか、産学公民連携による「アーバンデザインセンター渋谷」の設立が表明され平成28年予算に計上。 公平・公正・透明性をどのように確保し、区民負担を少なく最大の効果を引き出せる仕組みが課題。

現段階では区長の個人的な人脈をベースに勧められている節があるので、渋谷区の期間として衣替えしていく必要がある。

 

○Wifiフリー

<実施状況と評価>平成27年6月に災害対策及び観光専用の屋外用Wi-Fiスポット5か所を設置しました。今後全区に反映させる取り組みが必要。

 

○電柱/電線の地中化

<実施状況と評価>平成28年度予算に千駄ヶ谷地区の電線類地中化基本設計(4年計画の1年目)1000万円が計上。

地中化は1メートルおよそ100万円程度かかる高コスト事業なので、区だけで対応できる課題ではなく、国や東京都と共同できることが不可欠。

 

○実践的な避難訓練

<実施状況と評価>帰宅困難者向けの収容施設の案内などの啓発が予算に組み込まれる。居住者向けの避難訓練は、避難所運営委員会が設置され、避難所開設訓練などが実施されている地域がある

 

×区民の意識をはぐくむ仕組みづくり

<実施状況と評価>「ロンドン・パリ・ニューヨーク・渋谷区」をスローガンに掲げている。民間副区長の登用のほか、産学公民連携による「アーバンデザインセンター渋谷」の設立を目指している。

ただし公約中にある「サイレントピープルという大多数の人の意見をマーケティングする」仕組みについては見えていない。

 

×エンターテインメントシティ・シブヤ(夜間の地下鉄の入り口を演劇場に)

<実施状況と評価>渋谷区の動きは今のところ不明。

周辺住民はハロウィンなどで困っており、調整が必要不可欠。

 

×小さな森づくり

<実施状況と評価>「とりわけ本町地区の木密地域については、用地を積極的に取得し、緑化や防火性の向上を図っていきたい」と平成27年9月に区長答弁した程度。

 

×地域デビューマップを作ります!

<実施状況と評価>特に動きはなし。コミュニティ形成の側面からは重要な課題だが、どのような情報が盛り込まれるべきなのか不明

 

×小学校、中学校に地域コーディネーターを

<実施状況と評価>特に進捗なし。 地域に根差した学校づくりや学校教職員の負担の軽減の観点から必要な施策ではある。

 

×プレーパークの増設

<実施状況と評価>「将来的な課題として取り組んでいきたい」と区長は答弁

 

×寄付の活性化

<実施状況と評価>公約にある「年間上限5万円」の使途を区民が決める制度に対して、同様の趣旨で「1%支援制度」について質疑したが、消極的な答弁

 

×ミックスユースビル

<実施状況と評価>前区長が平成27年9月に「渋谷区安全・安心なまちづくりのための大規模建築物に関する条例施行規則」を制定したが、商業のみの大規模ビルを規制するまでの方針は出されていない。

 

×セグウェイ観光ツアー

<実施状況と評価>区の取り組みについては議会質問等では取り上げられているが、進捗状況や方向性が効果的にアピールされているとは言えない状況。

 

×渋谷区にプロサッカーチームを!

<実施状況と評価>特に動きはありません。

 

×観光コンシェルジュ

<実施状況と評価>観光協会で多少動きがあるようだが、目立ったものはない。

 

 

以上です。何かありましたらご連絡ください。

 

 

最後に、こんなところ誰も見ていないだろうけど…

私の立場としては、区長の公約のうちいいものをどんどん前に押し出して、逆に危ういところ・賛同できないところは修正やブレーキを図る、というものです。

選挙が終わったら公約なんてどうでもいい、はダメ。4年間、公約にこだわって議論を進めていこうと思っています。もちろん4年間の流れで変わるところはあっていいと思うけど、おおもとは公約に誠実な態度ですよね、求められているのは。