渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




今日(6月19日)、渋谷区議会6月議会が閉会。区長から提案のあった各議案がそれぞれ成立しました。




話題となった「ハロウィン路上飲酒規制条例(正式名称:渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例)」についても賛成多数で成立しました。地域住民としては非常に嬉しい、待望のものです。




賛成討論をいたしましたので要約&本文を掲載します。




ハロウィン当日深夜24時ハンズ前。この後爆音車が何台もならびダンスパーティ状態に。




<討論要約>




  • 本条例は渋谷駅周辺地域の住民にとって待望のもの
  • 渋谷には多くの地域住民がいる。大規模ビルや店舗では被害は少ないが、地域住民が所有する家やこじんまりしたビルや店舗での被害(ゴミ、放尿・吐しゃ物、滞留し騒音、破壊)が大きい。彼らは我慢し続けている
  • 声を上げられず我慢している地域住民に代わり「せめて路上飲酒はやめて」「夜中に騒がないで」「放尿しないで」「電柱や屋根に上らないで」と区が求め表明するのは極めて重要
  • 啓発強化、罰則・時期と場所の検討を要望
  • 以上を申し上げ、地域住民と来街者の安全と安心を確保する点を評価し賛成



知人の家の前のゴミ。ハロウィン当日深夜26時




<討論本文>




「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」につき、賛成の立場から討論いたします。




本条例は、渋谷駅周辺地域において、ハロウィンや年末カウントダウン等特定期間における路上飲酒規制など必要なルールを定めることにより、区民及び来街者の安全及び安心を確保するものです。




ハロウィンといっても、例えば代々木上原駅前では地域住民が主体となってこどもたちも楽しめる夜間イベントが開催され、大人もお酒を飲みながら楽しんでいます。他地域でもこどもむけのハロウィンイベントが開かれている。

こういう素敵なイベントは守りつつ、手に負えないほどになってしまった渋谷駅周辺地域の混乱を防いでいこうというのが条例の目標だと考えます。




本条例は渋谷駅周辺地域の住民にとって待望のものです。区長をはじめとする関係理事者の皆様、知恵を貸してくださった識者の皆様、意見を取りまとめた地域代表の皆様のご努力に心より敬意を表します。




*




昨今の渋谷は「人が人を呼ぶ」状態で、なにかのイベントを渋谷にて味わおうと考える方が多いようです。それとともに「渋谷ではなにをやってもよい」という風潮が加速しているのではないかなと思います。




これらのイベントは地域住民にとって苦痛でしかなく、就任以来長谷部区長はこのようなイベントの前にメディア等を通じて来街者に呼び掛け、また昨年のハロウィンでは酒類販売業者に対し協力を求めました。このような努力にもかかわらずトラブルはやまず、昨年は逮捕者が出るまでになってしまいました。地域も住宅街にまで広がりつつあります。

そして本条例に対しても、飲酒の自由を守れ、表現の自由を守れ、等の反対の声もあるようです。




これが人であれば、「やめてほしい」といやがっているにもかかわらず「俺の自由だ」といって酔って絡んだりゴミを押し付けたり小便ひっかけたりするのは単なる自分勝手ないじめだとなるところでしょうが、渋谷という街に対してはやりたい放題になってしまうのはいったいなぜなんでしょうか?




渋谷は大きな街ではありますが、そこには多くの地域住民がいます。彼らは深刻な被害を被っている。不思議なことに、大企業の運営する大規模なビルや店舗では被害はそれほど出ていないのにくらべ、地域住民が所有する家やこじんまりしたビルや店舗ではごみが捨てられ、放尿され、タムロされ、騒がれ、吐しゃ物がまき散らされ、そしてシャッター等が壊されるのです。まさに弱い立場のところに被害は集中する。そして彼らは我慢し続けているのです。




渋谷区は区民の集合体です。区民の困りごとを解決するのが区の役割です。声を上げられず被害に耐えている地域住民に代わって、来街者に対し「せめて路上飲酒は控えて」「深夜に爆音で騒がないで」「トイレ代わりにしないで」「危ないし壊れるから電柱や屋根などにのぼらないで」と求め表明することは極めて重要です。これで気づいてくれる、心ある方々が必ず大勢いることでしょう。実効性を高めるようどうか周知徹底をお願いいたします。




また、罰則規定がないこと、路上飲酒規制の時期と場所が極めて限定されていることは今後の課題です。渋谷の実情に最適化し実効性を高めるよう、今後の検討をぜひ進めていただくよう要望いたします。




以上を申し上げ、地域住民と来街者の皆様の安全と安心を確保する点を評価して条例に賛成の討論といたします。