渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例には、附帯決議(議会としての意見表明)がつくことになります。

公明党さんの提案に共産党さんと民主党が一部追加したものです。

 

一般の方はよくわからないと思うので、解説します。が、詳しい解説は3月31日に条例が議決してからということにさせてください。

まずは、公明党・沢島議員が読んだ提案理由、そして附帯決議の項目について資料として提示します。正確には議事録をお待ちください。

 

なお、多様性社会推進条例(パートナーシップ証明書を含む)の一連のブログ記事は、こちらをご覧ください。

タグ:多様性社会推進条例・同性パートナーシップ証明書

 

<提案理由>

 

ただいま可決いたしました議案第3号 渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例に対し、附帯決議を付されるよう動議を提出いたします。

この条例は、男女平等とともに、性的少数者の人権を尊重する社会を構築するための第一歩となるものです。

しかし、男女平等社会や多様な個人を尊重する社会を実現するためには、様々な課題が存在しております。

この条例の運用にあたっては、単身の性的少数者、特に単身の性別変更前の性同一性障害者へも、相談窓口での専門性を有したカウンセリング等、丁寧な対応が必要と考えます。

また、パートナーシップ証明書の発行にむらがない公平な運用など、さらに、区の証明書発行の責任、その重みを当事者が理解し共有する厳格な運用が求められます。

よって、議案第3号 渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例に対し、次の附帯決議を付したいと思います。

 

<附帯決議内容>

 

一、男女平等・多様性社会推進行動計画の策定にあたっては、区民と事業者に対して講演、説明会を開き、条例の理念を徹底するよう努められたい。

一、「診断後」、「治療中」である性別変更前の性同一性障害者へ特段の配慮を講じるよう努められたい。

一、パートナーシップ証明発行の区規則策定にあたっては、運用前に少なくとも2回以上、委員会に報告するよう努められたい。

一、パートナーシップ証明発行の区規則においては、丁寧に、公平に、かつ厳格に運用するよう努められたい。

一、相談及び苦情への対応にあたっての関係者名等の公表は避けるよう努められたい。

一、男女平等と多様性を尊重する社会を推進するための拠点施設につきては、渋谷女性センターアイリスの運営委員会を継続するとともに体制を拡充し、これまでの女性団体等の活動が後退することのないよう努められたい

最初の理念徹底は共産党さんから、後ろの公表規程とアイリス運営については共産党さんと民主党から、あとの3項目は公明党さんのもともとの提案。
反対なさった自民党さん含めて賛同の呼びかけが行われ、最終的に3会派の提案を文言修正して摺り合わせました。

提案はもともと附帯決議を提案した公明党さんにお任せ。今回の条例可決は、公明党さんのご尽力のたまものだと思っています。

<附帯決議の意味・重み>

3月31日、条例が可決されてから加筆する予定です。

(3月31日加筆)

正直、この条例は懸念が多く、公表規定削除などを含む修正案も検討していました。

その辺を調整し、附帯決議という形ですり合わせて、行政を縛ることとしました。

 

今回賛成はしましたが、次の区長の姿勢によっては、条例改正(公表規定削除など)を議員提案で求めていくことも考えます。

今回の附帯決議はそのような決意と思ってくださって結構です。

 

それだけ、「方向性がいいからいいじゃん」じゃダメで、慎重にていねいに育てていくべき条例だと思っています。