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渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

同性パートナーシップ証明書を含む多様性社会推進条例ですが、本日委員会で採決され、賛成多数で可決となりました。

31日の本会議で議決され、成立すると思います。

 

なかなか不備や懸念が多く、しんどい思いをした条例ですが、意義も大きいことから、このような条例審議に関われたことを光栄に思います。懸念と思う点についてもブレーキをかけたり明確化することが出来たりしたのではないかなぁと思います。

 

ということで、討論原稿をアップしておきます。

現場で言葉を変えていたりしますので、その辺はご容赦ください。

 

なお、多様性社会推進条例(パートナーシップ証明書を含む)の一連のブログ記事は、こちらをご覧ください。

タグ:多様性社会推進条例・同性パートナーシップ証明書

 

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議案第3号 渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例につきまして、民主党渋谷区議団は賛成いたします。

本条例は、女性団体の作成した条例案をベースに、男女平等と多様性社会推進という二つの理念を統合し、ひとりひとりの個性の違いが受け入れられ、尊重される街づくりを行うためのものです。
あるLGBT当事者の方は、「法的な権利が与えられるのではないにしても、こんな風に認められるのは感無量だ」と仰っていました。その方向性は非常に意義あるものであると思います。

ただし、この条例は人権意識に密接にかかわるものですから、区民の広範な議論と理解を経た上で、できれば全会派一致かそれに近い形で進められるよう慎重かつ丁寧に進められるべきでした。それにもかかわらず、区は委員会を飛び越えて唐突に条例案を発表し、区民の意見を集約する手続きも踏みませんでした。さらに、議案審議中には区長が一部会派を名指しで賛成、反対とレッテルを貼るなど、あまりの強引ぶりに驚いたものでした。

条例案そのものも、課題があると感じます。
そもそも男女平等と多様性社会推進という二つの方向性を一緒にしているので、どうしても規定の読み込みが複雑になります。女性センターアイリスをダイバーシティセンターに改組するのも丁寧さに欠けます。それまでの取り組みを尊重した上で、新たな役割を付加するのであればそれに見合った組織・予算等の拡充をするべきです。
また、義務付けについて十分な議論がなされていないのではないかと感じます。特に、勧告に従わない場合の公表規定ですが、区長の記者会見では「公表でプレッシャーをかけたい。理解をしない企業は社会的に制裁を受けることがあるんだという意味」と発言されています。これではリンチではありませんか。そのような感覚で、公表規定を運用するのは極めて危険です。
パートナーシップ証明書については、現行憲法下、現行法のもとで婚姻と同様の生活をしている同性のお二人について、一定の要件のもと渋谷区として証明するというもので、意義はわかりますが、さまざまな論点が考えられますので、規則を十分綿密に検討しなくてはなりません。また、証明書を取得するまでに数万円の費用がかかりますが、LGBTの方の中には経済的に厳しい生活を送られている方もいらっしゃるので、配慮が必要であることを指摘いたします。

以上、課題を述べましたが、この点、十分に留意されるようお願いを申しあげて、賛成討論といたします。