渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




「議員に要望してもほんとに変わるか疑問」という声をいただきました。まあそうですよね。行政はなかなか変わりません。一つのテーマを5年10年追いかけて、やっと変えられた…なんてザラにあるものです。




とはいえ、効果的・効率的なタイミングがあることは確かです。それは、行政の検討過程に合わせるのです。




ということで、今回は一般の方向けに「政策実現しやすいタイミングはいつか?」を解説したいなと思います。なお、ここで書いてあるのは原則渋谷区の2019年8月時点の情報です。




<文章サマリー>




  • ほとんどの場合、次年度の予算に計上された場合にのみ政策は実現する
  • 8~10月に「来年度予算要望」が各団体、各部、各政治家から提出され、それをもとに予算が編成され、2月上旬に発表される
  • なにか要望があるなら8月前に。実現するのは年度替わり(4月)



<政策実現≒予算計上>




その前に、政策を実現するって何? ということだけ確認しておきます。




政策実現には大きく3つあります。




  • 事務の一部を変更するだけのもの
  • ルールを新設したり、変更したりするもの
  • 事業を新設したり、事業の見直しをしたりして、人事や予算や契約を変更する必要があるもの



1番と2番は、お金を伴わない限りいつでもできます。ただ、多くの場合は人件費などお金が伴うのでその辺を見極める必要があります。




3番の「人事や予算や契約を変更する必要がある」ものについては、原則として毎年3月に決定する「渋谷区来年度予算」に掲載されなければ実現できません。




なので、ほとんどの場合毎年の「予算」に計上されるよう努力することになります。




<予算実現までのながれ>




政策実現はほとんどの場合、予算に計上されたことを指します。たまに計上されても実施できないこともありますがごくごく例外です。




なので、各種団体も、所管課も、そしてわれわれ政治家の側も、予算編成に合わせて色々手を打っていくのですね。




つまり、みなさんの要望もこの予算編成のながれに沿った形でご相談いただければ早期実現の可能性は高まります。




それでは実際の予算編成過程を見てみましょう。




予算編成の過程と議会のはたらきかけ




時期順に説明します。




  • 予算要望書に載せるために仕込む(4~7月):各団体や行政担当者に働きかける時期です。
  • 予算要望書の提出(8~10月):各団体(町会とかシニアクラブとか)が8月に、行政各部が9月中旬に、そしてわれわれ議員が10月下旬に「来年度予算要望」というものを出します。来年これやってね(やらないでね)というものです。予算要望に入っていない事業は原則予算に乗りません。なので、予算要望提出までが勝負。
  • 調整期(11~1月):あまりやれることはありませんが、関連情報を入れたり国や東京都の予算を確認したりする感じです。
  • 運用準備期(2~3月):2月上旬に発表される渋谷区予算にて計上されていれば、首尾よく政策実現となります。



どうでしょうか。たとえ年度初めに要望をいただいてもすぐには実現できない理由がわかっていただけたでしょうか。ほとんどの場合、予算や人員や契約などに関わるため、見直せるのは年度替わりになるのです。




もちろん、議会では上の図のように年4回の本会議で質問形式の提言を行うことが可能です。ここでも議論を積み上げることになりますが、最終的におおきく変わるのは年度替わりです。




「要望するなら8月より前、実現は年度替わりの3月末」です。気長にお待ちいただけると幸いです。




なお、予算要望の時期を逃してしまった場合・・・多くの場合は「最速でも再来年4月以降の実施」となります。努力はしますが。