渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




今日は防災とお楽しみを兼ねたお話。




「ハザードマップもいいけど、水害対策は土地の来歴が重要なので、散歩を楽しみながら確認しては?」というお誘いです。




隠れた名著「渋谷の湧水地」「渋谷の橋」




水害対策というと「暗渠になった川の確認」「潰されてしまった池の確認」が結構大事です。




川や地下水の流れは見えなくなっていますが、コンクリートの下に痕跡があります。これが、豪雨災害の時には影響するわけですね。




渋谷区の洪水ハザードマップなどをご覧いただくと、「なんでこんなところに洪水予想???」なんて驚かれると思います。今でこそ渋谷駅の下に渋谷川が通っているということはだいぶ知られていますが、センター街の下に川が残ってますよとか、原宿のキャットストリートは川ですよなんて言われても知っている人は少ないのではないでしょうか。




タモリ倶楽部ではありませんが、こういう「今では見えなくなった川/湧き水の痕跡」を捜し歩くことは楽しいですし、なにより水害の備えにもなりますよね。




とはいえ、どこがどういう場所なのかわからない…というあなたのために!




とても便利な資料を渋谷区は作っています。それが「渋谷の湧水地」「渋谷の橋」です。こんな感じ




鍋島松濤公園の記事




こんな感じで、今もある池だけではなく今は潰された池も収録されています。古文書を原典資料にしているので詳細な経緯などもわかって面白いですよ。ちなみに赤でかこっているのは、「なべしましょうとうこうえん」じゃなくて正式名称が「なべしままつなみこうえん」だとしって驚いたから。地元の議員なのに。地元のみんな全員松濤公園は「しょうとうこうえん」だと思っているはずです。みんな間違っていたとは…




他にも表参道ヒルズのところに大きな池がもともとあって、潰すとき大変だった、なんて話など好きな方にはたまらないのではないでしょうか。




渋谷の湧水地マップ




これを見るとハザードマップよりも理解が進みそうですね。例えば上原3丁目、上原中学付近。すごいですね、「底なし田んぼ」との記載がありますね。関係あるかどうかはわかりませんが、上原中学校は改築時に地下室のカビに悩まされています。田んぼがなくなって数十年たっても土地の性質はなかなか変わらないのかもしれません。




こういう話、地元の人間は知っています。たまに町会などでも話が出ます。でも引っ越してきた方は分かりませんよね…ハザードマップ見ただけではいまいちわからない土地の性質はこういう資料で確認なさってください。




そして橋! これも結構大事です。暗渠にかかっている橋は道に見えますが構造的には橋です。そして橋のたもとから結構水が出ることが多く、水害の原因になることがあるんですね。




なので、老朽化した橋を順繰りに架け替えているのですが、後回しになっているところももちろんあります。そういうところを確認しておくとよいと思います。




散歩のすすめ




さて、これらの資料は渋谷区立図書館で借りられます。借りて読みながら散歩する…というのもいいですが(事故には気を付けてね)、もっと良い方法があります。




なんと、これらの本は「渋谷区立電子図書館」で借りられます。お手持ちの端末で開きながら散歩する、そして今と過去を比較して楽しむ、なんてこともできちゃうのです。




たとえば渋谷駅のすぐわきには橋が架かっていて、その隣には「人食い松」があって…とか、代々木公園が昔は軍隊の練習場になって、その土地改良のおかげで池がめっちゃあふれて大災害になって…とか、100年もたってないのに今では想像もできなくなった風景を想像するのはとても楽しいですよ!




なお、渋谷区立電子図書館は最初の登録のみリアルの図書館に行かなくてはなりません。お近くの渋谷区立図書館にお越しください。




渋谷区立電子図書館の隠れた人気コンテンツ、「渋谷の湧水地」「渋谷の橋」ぜひ利用してみてくださいね。楽しみながら水害対策、おすすめです!