今日は渋谷区議会文教委員会の視察で北海道の札幌市に行って参りました。
札幌市では電子図書館が平成26年から導入をされています。また ICT を活用した校務支援システムによる学校教員の働き方改革が平成25年から導入されています。
この状況について視察をいたしました。
電子図書館
電子図書館は順調に推移をしているようで、年間3万冊を越える貸し出しです。
2年ライセンスを購入している本・雑誌が7000冊弱、市関連団体の発行している図書や広報紙等が1000冊強。合計約8000冊です。利用は30-50代の女性が多く、女性の間で口コミで広がっているとの説明がありました。
・利点
電子図書館の利点として、動向がすぐにわかるということがあります。
現在は子育て世代女性の貸し出しが非常に多いということで、「子育て女性が本を借りられないのので電子図書館が有効であるのでは」という仮説をたて、子育て世代の方々が借りるような図書資料を充実をさせるというような施策が行われ好評だそうです。
またライトノベルなどの貸し出しも進められています。こどもの活字離れにたいし、まずどんどん読んでもらう経験を積んでもらうということです。
また、歴史的価値のある資料等も簡単に公開できます。札幌市の広報紙は昭和25年から公開されてます。誰でも観られるんだからすごいですね! このような地域資料の充実も大きな意義だと思います。
その他、札幌市側からメリットとしては
- 24h可能で来館不要の利便性
- 紛失・汚損・返却遅延の心配がない
- 書架スペースが不要
- 文字拡大、検索等の機能性
等があげられていました。
・課題
課題としては金額的なところです。
紙の本で買うのに比べライセンスが高い。数倍となるそうです。さらに貸し出し回数も制限がある場合があるとのことで、さらにライセンスは2年更新だと。
図書の購入費用には制約があるのでその中で購入冊数を増やしていくことは難しく、財政負担に直結するという現状もありそうです。
この辺は紙の本でもそうですが、図書館で貸し出している本はただではないですし、出版社・書店・著者等の利益関係者の多大な協力があって成り立っています。その辺はご理解いただきたいですね。
校務支援
これは正直報告が難しいです。導入5年で新システムも導入したので札幌市さんのなかでは「当たり前」になってしまっていて、導入前と比べてどうだったか等は忘却の彼方かな、と。
ただひとつ、「導入年度はユーザー(教員)からいろいろ不満等が出たが、年度末の仕事が大幅に軽減されて効果が実感されたようだ」とのコメントは実感がこもってました。間違えられない手書きの書類、膨大な時間のかかる成績処理など効果ので安いところですよね。
このはなしを聞けたのが大きな収穫です。
ということで、実りの大きい視察となりました。
各市のご担当者さまありがとうございました!