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渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

この記事が公開される頃には「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が附帯決議をつけて可決・成立していると思います。

附帯決議についてはこちらのブログ記事をご覧ください。賛同会派として、附帯決議が踏みにじられたら、今後条例の修正案を提出する覚悟です。それだけ附帯決議は重い。

 

さて、26日の渋谷区議会総務区民委員会における討論では、さまざまな懸念を指摘し、施行にあたって留意すべき課題を明らかにしました。附帯決議も通ることが確実になり、一定の歯止めがかかったことから、渋谷区議会本会議の賛成討論では理念的な賛成意見を述べることとしました。

 

なお、多様性社会推進条例(パートナーシップ証明書を含む)の一連のブログ記事は、こちらをご覧ください。

タグ:多様性社会推進条例・同性パートナーシップ証明書

 

 

以下、民主党の討論原稿です。良かったらご覧ください。

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議案第3号 渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例につきまして、賛成の立場から討論いたします。

 

<制定経緯と男女平等の理念>

本条例は、女性団体の作成した条例案をベースに、男女平等と多様性社会推進という二つの理念を統合し、ひとりひとりの個性の違いが受け入れられ、尊重される街づくりを行うためのものです。
まず、女性センターアイリスを中心に活発な活動を続けられ、そのなかで男女平等条例が必要だとみずから立ち上がり、他地域の先進条例を参考に区議会議員等とも対話を重ね、男女平等だけでなく性的少数者への配慮を盛り込んだ先進的な条例試案をおつくりになられた女性団体の皆様方に、本条例の基礎を作っていただいたと心より敬意を申し上げますとともに、本条例が男女平等社会の実現に寄与することを願うものです。

 

<多様性を尊重する社会という理念>

加えて、多様性を尊重する社会の推進という理念も崇高なものであります。
特に同性間のパートナーシップ証明書発行は日本国内初の取り組みであり、長年LGBTパレードなどの開催実績がある渋谷区から証明書発行に踏み切ることは象徴的で大きな一歩です。

今回の証明書発行は、承認によるアナウンスメント効果が非常に大きいと考えます。
共生のメッセージが渋谷から日本中に発信され、地域、職場などでも、理解が深まり受けとめられやすくなることが期待されます。
また、差別解消のひとつとして、区営住宅への入居資格ができたのも、社会生活の基盤となる住宅を保証するという意味で極めて重要であり、性的少数者にとって重要なセーフティネットとなるでしょう。

もちろん、同性カップルだけでなく、多くの性的少数者の方々が差別されないよう取り組むことを定めた条例の理念は極めて素晴らしいものです。
ある当事者の方から、「やっと日本でも隠れなくても、隠さなくもよい時代がきた」と感謝の言葉を頂きました。本条例は、性別等に関わらずすべての方が渋谷区民として当たり前に、堂々と生きられる社会の実現に大きく寄与するものであると考えます。

 

<懸念を解消するための附帯決議>

なお、本条例には附帯決議の提案もなされております。多様性社会推進という理念は意義があるものの、それのみに偏ってしまい男女平等の活動を疎かにしないこと、事業者等に対し過度な制裁を与えないよう公表は避けること、規則策定にあたっては慎重に検討することなど、附帯決議を十分考慮していただくよう強くお願いをいたします。

この、意義ある条例が逆効果に終わることのないように、丁寧に、多様な人権のあり方に配慮する礎となるように。慎重に守り育てていただくことをお願いいたします。

今回の条例審議は、国政も巻き込んで多くの方々の注目を浴びることとなりました。憲法や各種放棄の読み込み、当事者のヒアリング、賛成反対様々寄せられるご意見の検討など、視野を広く持って取り組むこととなりました。
あらためて、区議会議員というのは広い視野と高度な専門性を求められると痛感いたしました。とともに、区議会議員が個人として社会の変革に大きくかかわり責任を持つことに対し、身の引き締まる思いです。
今後も、民主党区議団は全ての方に居場所と出番のある社会を実現するために取り組むことをお誓い申し上げて、賛成の討論と致します。