がん検診については、渋谷区議会の本会議で「精神的にダメージを受けすぎないようにしよう」と提案をしています。
というのも、がん検診で「要精密検査」となってしまうと、絶望的な気分になってしまう方が多いと思われるからです。
「検診を受けて、がんだとわかったら怖いから受けない」というのもたまに聞きます。潜在的にあるプレッシャーががん検診受診を妨げる要因の一つなのではないでしょうか。



実際にはスクリーニング検査と言って、精密検査をする前の「絞り込み」にすぎないので、精密検査になったからと言ってがんであるとは限りません。
むしろ、ほとんどの方ががんではないのです。ごくごく一部なんです。



データで検討しましょう。
すべて渋谷区の平成23年度のデータです。
※ 今回は精密検査の受診率のみ入手したので、精密検査受診数は必ずしも正確ではありません


○胃がん

受診者数

9774

受診率

(男)13.4% (女)16.1%

要精密検査

802

精密検査受診数

598

精密検査受診率

74.6%

がんと判明した方

11

精密検査を受けた方で、がんと判明した割合

1.8%


要精密検査になるのは全体の1割弱。精密検査になったとしても、ほぼ98%はがんではありません。
おそるるに足りません。


○大腸がん

受診者数

10701

受診率

(男)13.1% (女)16.3%

要精密検査

722

精密検査受診数

475

精密検査受診率

65.8%

がんと判明した方

14

精密検査を受けた方で、がんと判明した割合

2.9%

要精密検査になるのは全体の7%弱。そのうちの97%はがんではありません。


○肺がん

受診者数

10426

受診率

(男)12.9% (女)15.6%

要精密検査

223

精密検査受診数

182

精密検査受診率

81.6%

がんと判明した方

2

精密検査を受けた方で、がんと判明した割合

1.1%

全体の2%が要精密検査。そのうちのほぼ99%はがんではありません。


○子宮がん

受診者数

6349

受診率

23.4%

要精密検査

116

精密検査受診数

69

精密検査受診率

59.2%

がんと判明した方

7

精密検査を受けた方で、がんと判明した割合

10.1%

比較的スクリーニングが厳密で、2%弱が要精密検査、精密検査を受けた1割ががんと判明します。
それでも9割はがんではないといえます。おそるるに足りません。


○乳がん

受診者数

4893

受診率

23.1%

要精密検査

683

精密検査受診数

538

精密検査受診率

78.7%

がんと判明した方

13

精密検査を受けた方で、がんと判明した割合

2.4%


10%超が要精密検査ですが、そのうちの97%はがんではありません。


○結論
がんは現在日本人の死因の第一位。統計によりますが、約3割の方ががんで亡くなっており、40代~80代くらいまでの死因第一位です。確かに怖い。
かといって「精密検査になった! どうしよう!」みたいに必要以上に怖がる必要もないわけです。
さらに、検診対象のがんは比較的早期発見が有効ながんと言われています。
恐れないで精密検査を受けて、すっきりした気分で生活してくださいね。

この辺の対応、いってみれば「がん検診の最適化」は私の政策テーマの一つでもあります。
いろいろ勉強します。


※上記の数字は渋谷区のみのデータですから、日本全体でみれば若干違う数字になるのでそこはご注意ください。