鈴木けんぽうです。

引き続き、渋谷区議会本会議で行った提案について書いておきます。

正確な内容は動画でご確認ください。動画はこちらで公開されています。直リンクできないので、平成27年11月27日の動画を選択してください。

 

(質問)子宮頸がん予防ワクチンは、積極的勧奨が差し控えられているが、情報が当事者に全く伝わらなくなっている。リスクもベネフィットも含めて、情報を当事者に伝えていくべきではないか → (答弁)制度について周知していく

 

子宮頸がん予防ワクチンについて

今日は、私の政策的柱の一つである健康政策。子宮頸がん予防ワクチンの情報提供を取り上げます。

子宮頸がん予防ワクチンについては、定期予防接種として2013年4月より主に中学生を対象に基本無料で接種されています。が、副反応と疑われる事例(かならずしもワクチンが原因といいきれないものもあるので、一切ひっくるめて「有害事象」と言います)が多かったたために、現在は「積極的勧奨の差し控え」という微妙なことになっています。

かんたんにいうと、「義務として無料で接種できるようにしているけど、ワクチンが原因かどうかわかるまで積極的におススメはしないよ」ということです。

そのような対応がなされた結果、事実上の接種停止となってしまっています。

 

子宮頸がん予防ワクチンの有害事象について

子宮頸がんの有害事象ですけれども、中学生が接種後にろくに歩けなくなってしまうなどがあり、テレビ等でも大きく取り上げられましたのでご存知の方も多いと思います。

現在、厚生労働省を中心に検討が行われているところです。

 

有害事象については、どうやらワクチン由来とすっきり断定できるものばかりでもないようで、まだ判断が出ていません。生活環境が似ているケースも多く、思春期特有の心理的な症状がワクチンをきっかけにして出てきているのではないか、という分析もあります。

あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか(10月20日)

 

ただ、私はお医者さんではないのでこの記事の妥当性はわかりませんし、ワクチン由来の可能性もまだ否定されていないので、今のところはワクチンに問題があるかないかは判断していません。

最終的には専門家の判断を待ちます。

 

今なぜ子宮頸がん予防ワクチンの情報提供を求めるのか

では、まだ結論が出ていない子宮頸がん予防ワクチンの情報提供を今求める理由はなんなのか。そこを簡単に記しておきます。

  1. 現在は「子宮頸がんは怖い」との印象だけになってしまっていて、対象者にリスクやベネフィットはおろか定期予防接種制度そのものの情報がいきわたっていない。ある意味不都合なものとして隠している状況だ。隠すのではなく、情報を十分に提供し、対象者自身が判断できるようにするべきである(必要性)
  2. 結果的に接種を控えることになったとしても、子宮頸がんという病気に対する知識や関心、予防の重要性とその方法などについて知る機会につながることが期待される。これは身を守るうえで非常に重要(重要性)
  3. 救済制度が動き出した。また現在「積極的勧奨の差し控え」となっているが、定期接種であることには変わりない。積極的勧奨とはわかりやすく言えばあらゆる手立てを使ってお勧めすることであり、情報提供そのものが禁じられているわけではない(許容性)

情報にすら触れられない状況は極めて不健全です。ワクチン接種に反対されていらっしゃる方も、ワクチン接種を推進していらっしゃる方も、情報提供を否定なさるかたはいらっしゃらないでしょう。

 

最終的には、ワクチンを使おうが使うまいが、人々の健康を守ることが目的です。私はワクチンで予防できる病気はワクチンで予防するほうが(医療経済の面でも、社会や個人の負担という面でも)感染予防という意味でも有利だと考えていますが、今の現状だと次善の策でも前に進めていく必要があるとかんがえ、提案しました。

保健所長の答弁は簡潔ですが、問題意識は共有されたと評価しています。