今回の議会質問では、デング熱対策についてとりあげました。
それについて簡単にまとめておきます。


<まとめ:デング熱対策は来年以降も必要!>

  • デング熱対策は来年以降も必要。蚊の対策を求める
  • そもそも日本人は危機意識がひくいので輸入感染症の啓発が必要
  • 国内での「予防」対策も重要。渋谷区は感染症予防に力を入れているので、水準を維持すべき
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11月号ビラより。日本人は危機意識が足りない! と、伊藤ひろたか横浜市議と合同でアピールマンガを作りました。

 

デング熱が終息しつつある中で今度はエボラ出血熱がニュースになっていますね。
私は長くこどもの感染症対策を中心に予防医療に力を注いでまいりました。
そのなかで、輸入感染症への対策は一つのテーマです。


今回の議会質問では、デング熱をきっかけにして、渋谷区の感染症対策を前進させたい、との考えから3点提案を致しました。
簡単に説明します。


<1、来年度以降の蚊対策>


代々木公園を舞台にしていた今回のデング熱騒動。
地元民として、たいへんな思いをしましたね。


代々木公園は来街者も多く、海外のイベントも多いため、今後もデング熱等輸入感染症への備えが必要です。
特に蚊は、デング熱、チクングニア熱(リンク先は感染研)、ウェストナイル熱(リンク先は厚労省)などの感染症を媒介するので要注意です。


蚊対策については、特に有効なのは繁殖をおさえること、具体的にはみずたまりを少なくすることです。
デング熱などを媒介するヒトスジシマカは比較的小さなみずたまりに卵を産み付けるため、民有地も含めた対策が重要です。


いまのところ、公共の場以外のみずたまりにたいしては指導権限などはないので、実効性のあるとりくみは難しい。
ということで、指導などの仕組みを作る必要があるのではないか、と提案しました。



<2、輸入感染症の対策>


海外から輸入される感染症は、デング熱やエボラ出血熱だけではありません。
本来は、できるだけ海外渡航者に対策を取ってもらうこと、自分の身を守ってもらうことが重要ですが、
日本ではそういう意識が低いんです…


マンガでも書きましたが、ネパールで研究データがあります。
ネパールを訪れる方の予防接種の状況を調べたもので、

日本人:接種率5%
その他:接種率95%

という結果が出ました。
あまりの格差にあぜんとしますよね・・・


まず、海外渡航の際には渡航先の情報を調べること。
できるだけトラベルクリニックといった専門機関に相談すること。
必要な場合には適切なワクチンを接種すること。場合によっては数か月の間に複数回うつときもあります。


こういった、きちんとした対応を啓発するよう、提案いたしました。



<3、国内での感染症予防>


さて、一部の感染症には予防接種があります。
きちんと使用されればその多くは流行を防ぐことができます。

が・・・
日本では、予防できるはずの病気も予防できていないのが現実です。


こんなニュースがありました。

日本人がはしか感染源 6人発症と米保健当局(2008年47ニュース)

米疾病対策センター(CDC)は21日、昨年夏にスポーツの国際大会で訪米した日本人の少年が感染源となり、米国内で日本人1人を含む計6人がはしかを発症したと週報(電子版)に発表した。  国際大会では感染の危険が高まるとして、主催者が海外参加者に対し、はしかの予防注射の証明書を提示させることを検討すべきだとしている。はしかの予防注射が徹底している米国では、近年ほとんど発生が確認されておらず、米国の保健関係者は「日本ははしかを輸出している」とたびたび非難している。  CDCによると、昨年8月に米東部で開かれた大会に、日本から12歳の少年が参加。少年のきょうだいは日本ではしかに似た症状を発症していたが、少年は米国滞在中にはしかを発症し、州政府への通報後、隔離された。

リトルリーグの遠征でアメリカに渡航した少年が、はしかを「輸出」してしまった例です。
この他にも、日本で風疹が流行していた最近まで、日本はリスクのある地域だと指定されていました。


なぜなら、多くの先進国では、予防接種の徹底などによってはしか、風疹など予防できる病気の予防が進められてきました。
日本は遅れているんです。


過去の病気であると考えられがちな結核も、日本では10万人中20人くらい、年間2万数千人が発症しています。
これは、先進国のおよそ3~4倍。非常に高い割合です。日本は結核の「中程度の蔓延国」とされています。


ということで、輸入感染症対策も重要だけれど、予防できる病気を確実に予防するということも大事じゃないか、という観点から、更なる予防の強化が重要だと提案しました。



<議会での実際の発言・答弁>

渋谷区議会中継(鈴木けんぽう発言分) (平成26年9月25日分をご覧ください)

5 健康について
(1) デング熱を中心とした感染症対策について(0:22:10)
①デング熱やウェストナイル熱等蚊が媒介する感染症の輸入は、今後も起こりうるものです。東京都も「蚊による感染症対策会議」を19日に開催しています。保健所長もメンバーとなっているので、ぜひ積極的な対策を推進するとともに、虫よけ剤の濃度規制の見直しなど広範な課題に取り組むよう求める。
しかし収束してからが本番、今後も蚊を減少させるために公園等区の施設での対策を怠らず徹底するべきです。
民間の所有する水場や水たまり等の管理の徹底、および管理者不明の水場に対する指導体制を整えるべきです。そのためには、条例を作るのもいいかもしれません。今後を見据え、長期的視野に立って蚊対策を行っていただきたい。
② また、輸入感染症を防ぐために、海外渡航の際の現地情報の確保、トラベルワクチンの適切な使用や渡航専門医療機関への受診の啓発をすべきです。区長の見解を伺います。
③ 国内で流行する可能性がある感染症について、特に予防できるものについては徹底した予防をすべきです。小児の任意予防接種については、助成水準を下げることのないようお願いをするとともに、任意・定期の予防接種について接種率向上に向けた取り組みを強化するよう求めます。


○健康推進部長答弁

5(1)蚊対策 国や都の情報も得ながら専門家の助言も得て適切に行っていく
渡航医療啓発 国などにゆだねたい
予防接種推進 任意予防接種の助成水準を下げる考えはない。接種率については対象過程に個別に送付してきめ細やかに対応。区ニュースや健診などで啓発。(0:45:20)
(2)官位糖尿病検査 結果を正しく理解し生活指導を受け、必要な改善につなげられるために、定期的な健診、受診、治療啓発が必要かつ効果的。簡易検査は考えていない(0:49:05)
(3)禁煙支援 啓発は進めている。健康増進計画に反映。特定保健指導などに声かけ。禁煙外来紹介。(0:50:20)



その他の質問についてはこちらをご覧ください。
渋谷区議会本会議での質問(提言)の録画中継が掲載されました


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<ミニ日記>

年長長男が友達との人間関係の悩み? 男女の悩み? を話す横で
年少長女がむじゃきに童謡「でんでんむし」を熱唱する…

同時に対応するのはすっごく難しい!
そんな保育園の送り迎えであります。