河津区民保養施設については、「AV撮影がなされた」から問題であるとする堀切区議が渋谷区を提訴したようです。

AV撮影した旅館を保養所に購入 渋谷区議が区長を提訴(朝日新聞)


過去にアダルトビデオ(AV)の撮影に使われた旅館を保養所として、東京都渋谷区が購入したのは不適切だったとして、堀切稔仁区議が24日、桑原敏武区長らに対し、購入代金など約1億8千万円を区に賠償するよう求める住民訴訟を、東京地裁に起こした。

 訴状によると、区は4月、静岡県河津町の旅館を購入。だがこの旅館は2006年以降、少なくとも計11回、AVの撮影に使われていた。このため、区議側は「区民が安らぐ保養所にならない」と主張。撮影の過去や建物の老朽化を適切に評価せず不当に高い代金で購入したとして、「違法な支出にあたる」と訴えている。住民監査請求をしたが、棄却されたため提訴した。

 区によると、既存の保養所が人気で予約がなかなか取れないため、新たな保養所としてこの旅館を購入。AV撮影の過去は知らず、購入後に週刊誌の取材を受けて知ったという。今年度予算に、改修費などと合わせ約2億2800万円を計上。改修工事も終え、10月下旬にオープン予定という。提訴に対し、区は「区監査委員の判断が出ており、適法と考えている」とコメントした。

監査委員の判断はこちら。

渋谷区職員措置請求及び監査結果(河津区民保養施設土地建物等の購入に関する件)
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この写真ののち改装されて今は綺麗になっている…はず



論点になったのは2つで、

  1. アダルトビデオの撮影で使用されている物件を購入することは、詐欺、錯誤及び隠れた瑕疵に該当するか。また、建物の築年数等から1億1000万円で購入する契約を締結し、支出したことが違法、不当といえるか。
  2. 本物件の購入及び支出が違法、不当なものとして、保養施設として開設及び存続、運営するための行為も違法、不当といえるか。

以下、監査委員の判断を簡単にまとめると、

  • 購入経緯:不動産鑑定評価が1億2500万円であり、当時の所有者から提示されたのは1億1000万円である。現地の施設・周辺環境長等調査を数回行い、鑑定評価を実施し、調査検討および区議会の議決を経ており妥当。
  • 購入価格:鑑定は合理的に行われており、評価額を下回る購入金額は問題ない
  • AV撮影の関係:平成26年5月に週刊誌に掲載され、その後確認して区はAV撮影という事実を知った。過去のAV撮影は今後の物件使用の具体的な支障とはならないし、不動産価格がその事実によって下落することはあり得ない。また、関係職員が調査を怠っていたとまでは言えない。
  • 手続き:手続きにおいて違法、不当とまでは言えない

以上です。


<参考>ツイッターでの反応

当該ニュースに対するツイッターでの反応を簡単にまとめておきました。

過去AV撮影された旅館を渋谷区が購入したことについての反応