渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




渋谷区議会第二回定例会、6月1日からはじまりました。今回はその質問内容とその意図について掲載します。




代々木公園B地区




<質問全文>




健康政策




初めに健康です。

オミクロン株にあってもワクチン接種の進展と感染の鎮静化は軸を一にしています。コロナに限らずワクチン行政を徹底し、感染症から区民の健康を守っていただくよう要望します。




さて、小児定期接種ワクチンについてのヒヤリハット事例が川崎市と連携する事業者から報告されています。接種期間の間違い、接種ワクチンの種類取り違え、ワクチン有効期限の確認ミスなど多岐にわたり、思ったより頻度が高いようです。国の方針に従った確実な接種が重要ですが、小児の定期接種ワクチンは多種多様で複雑であり、システムを導入してヒューマンエラーを排除していく必要があるのではないでしょうか。区長の見解を伺います。




続いてコロナ対応の緩和です。イベントを復活させることを全否定するものではありませんが、感染症の脅威を知った以上区の関連としては①100人以上を想定する大規模な②屋内でのイベントで③食事や会話を伴う④1時間以上のものを復活させるべきではないと考えますが区長の見解を伺います。

他方で、日常的な活動に制限を加えることは過剰と思います。区民会館等貸し館での利用制限はできるだけ避け【国や都等の要請がない限り】利用団体等の自主対策に任せていくべきと考えますが区長の見解を伺います。




教育政策




続いて教育です。

「新しい学校づくり整備方針」が示されました。学びの中心、地域の中心にふさわしい未来ビジョンであると高く評価いたします。実際の校舎に具現化する際にはこどもの声の反響への対処や事故防止などさまざまな課題もあるかと考えます。現段階で区長の課題認識はどこにあるのか伺います。




近隣の建て替え等のプロジェクトの公共貢献は区民負担、財政負担の軽減につながりますから可能な限り活用を求めます。プロジェクトの進捗や将来的な管理等に学校運営が影響される可能性もあるかと思いますが、円滑に進めるための留意点について区長の見解を伺います。




親の立場で気になるのはこどもの生活の変化です。建て替え期間中には当然通学路が変わりますが、負担の軽減と通学路の安全をどのように確保するのか。特に小学生にあっては遠距離となる児童に対しスクールバス等の手段を確保すべきではないか。教育長の見解を伺います。

学校建て替え中・建て替え後の放課後クラブのあり方をどのように検討しているのか。現在すでに非常に手狭になっている放課後クラブも多いと思われるが、これについてはただちに改善が必要ではないか。あわせて教育長の見解を伺います。




コミュニティの中心施設としての視点からです。現在の地域住民を中心とした学校施設開放の仕組みは有効に機能していると評価するものの、建て替え後は区が諸施設とともに施設予約等管理の一元化も考えられますがいかがでしょうか。学校施設を活用している団体の建て替え期間の活動への配慮はどうするか。また、保護者の生活が多様化していることにかんがみ、PTAについては学校と密接に連携する地域の社会教育団体として位置づけなおし、土日や夜間にも自由に使えるスペースを校内に確保するべきではないか。以上現段階の区長の見解を伺います。




続いてICTを活用した教育です。

2020年秋からの新タブレットも年度でいうと3年目となりました。そろそろバッテリー等のへたりもでてきており、次期モデルも検討され始めるところかと思います。さらに軽量化を進めていただきたい。また検索やアプリケーション導入などの自由度を高め子供たちが主体的な活用をできるよう検討していただきたいと思います。次期タブレットの検討について現段階での見解を伺います。

昨今は情報モラル教育にとどまらずデジタルシチズンシップ、すなわちデジタル社会で善き使い手としてどのようにふるまっていくかを指導すべきという声があり、強く賛同するところです。デジタルシチズンシップ教育について単なる情報モラル教育との相違点を含めどのように捉えているのか、教育長の見解を伺います。




区民生活(いろいろ)




防災




最後に区民生活の観点から一点。




首都直下地震等による東京の被害想定が先日見直されました。全都的には大きな改善がみられたが渋谷区はどうなのか。今後の課題をどのようにとらえているのか。公表を受けて区長の見解を伺います。




<質問の意図>




健康政策




健康政策の1問目。コロナワクチンにより大規模にシステムが導入されたので、これを契機に小児の定期接種についてもシステム化を図っていくべきという観点です。




質問中に取り上げた川崎市の事例は、タブレットを使って医療機関でピッ!ピッ!ピッ!とやると「この人は定期接種期間じゃないよ」「このワクチンは有効期限切れだよ」「前うったワクチンと期間が開いてないよ」などを教えてくれる優れものです。




当然チェックはしているでしょうけど、項目は多岐にわたりますし、小児の定期接種は期間等が複雑です。慣れている小児科の先生だけじゃなく内科の先生などもやっていることもあって、ヒヤリハット事例は結構多いっぽいです。




システムでピピっと対応できれば正確ですし、医療機関の負担の軽減にもなります。ぜひ対応してほしいところ。




イベントについては、区がかかわる大規模なイベントは感染症対策の観点から取りやめましょう、というもの。要件は




  1. 100人以上の大規模な
  2. 屋内イベントで
  3. 食事や会話を伴う
  4. 1時間以上のもの



で、賀詞交歓会や大規模式典のあとの立食懇親会等を想定しており、こういうものについては短時間にするか少人数にするかという検討を求めています。



他方で、貸し館などについては利用者も限定的だし捕捉もできます。利用団体が適切に感染症対策を行えばいい話でパターナリスティックに人数制限などを行う必要はない、という議論をしました。



教育政策




この議会の直前に「渋谷区新しい学校づくり整備方針」がしめされ、多くの学校の建て替えスケジュールとともに「新しい時代の公立学校はどのようにあるべきか」という区の見解が示されました。




非常に意欲的ですし、学びの中心としても地域の中心としてもふさわしいビジョンとして大いに賛同しています。まずこれについていくつかの観点から質問しました。




次にタブレットです。きがついたら夏休み明けで新タブレットも2年経過することになります。現場ではバッテリーの能力低下も起きており、次の展開を考える時期となっています。これについて議会としては全く議論がないので、まず号砲として一本入れました。なお教育長答弁では保護者の関与が認められていないので、保護者の代表が次期タブレットや今後のICT教育についてかかわっていくことを求めていきます。




というか、もっというと保護者の中でICTを活用した教育について全くコンセンサスが取れていない状態で進めている感があります。評価するのかしないのか。期待に応えられているのかいないのか。そこを出発点に据えてほしいものですね。




防災




東京都の災害想定が10年ぶりに見直されました。防災計画などの基本となる資料ですから、大きなことです。ただ直前だったので詳細な議論を求めるわけではなくて、概括的な見解を求めました。