渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

第一回定例会質問予定の続きです。今回はこどものインフルエンザワクチン助成について。

 

【質問】

 

つづいてインフルエンザ対策です。

2017-18シーズンの流行もそろそろ終わります。今シーズンはA型B型の流行が重なったものとなりました。

区におけるインフルエンザ対策として極めて重要なのはこどものワクチン助成です。1歳から13歳までが2回、中学生が1回の助成を1月31日まで実施。助成状況を見ると、平成28年度で対象者が約2万人に対し、1回以上接種した人が1万人と約半分となっています。

 

さて、こどものインフルエンザワクチンについては、臨床医によく使われているバイブル的な書籍では「1回接種するとかなり向上する、2回接種はわずかに効果が上昇する」とされています。世界的に参照されているアメリカCDCでも、8才までの「はじめてインフルエンザ予防接種をうつか、今までのシーズンが1回接種だった子は」2回接種が推奨ですが、それ以外は原則1回で良いとなっています。

これらの知見を参考にすると、個人防衛、集団防衛両面からみて重要なのは1回目を早期に確実に接種される仕組みです。受け忘れた、助成を知らなかったなどの声も例えば、ある一定の年齢以上は1回目接種に絞る代わりに個別通知に切り替えるなどが有効と考えられます。区長の見解を伺います。

 

【解説】

 

インフルエンザワクチンについては、最近の研究でははっきり有効性が示されています(当たりはずれはあるようですが)。

また、研究が進み「こどもは常に2回接種→1度2回接種したら、それ以降は一回接種でいい』と変化してきました。これはいろいろな要因があるみたいで、効果がきちんと確かめられるようになったこと、ワクチンの質が向上したこと、抗ウイルス薬(タミフルとか)の効果や副反応について改善または判明してきたこと。また健康体で医療機関に頻繁に行くことはかえって病気をもらってしまうリスク、親が予防接種時に時間取られること(社会の生産性損失といいます)なども加味されるようになったこと。などが言われています。

 

以上から、現代ではまず早期に確実に接種してもらうことが最重要で、ここに焦点を絞って対応することが最小の効率で最大の効果を上げることにつながるのではないか、と考えました。社会全体にとってプラスになりますし、保護者の負担も必要最小限のものとなります。

 

さて。いまの渋谷区では助成対象のこどもは半分くらいの人しか受けていません。

私の身近では、インフルエンザワクチンを受けなかった理由について「忘れてた」「助成を知らなかった」などということもあり、ここにきちんとアプローチすることが極めて重要だなと感じています。

もちろん個別通知に置き換えると費用も手間もかかります。その分の財源は1回接種に減らした分を充てることで対応できるかなと感じています。小学生以上は公立学校を通じての告知でもいいでしょう。学校での集団接種を希望する方も多いのですが、そこまで行くのはちょっとハードルが高いかな、とも思います。

 

なお、こどもたちがインフルエンザワクチンをうつと高齢者のインフルエンザ罹患も減少するということははっきりしています。つまり、できるだけ多くのこどもたちにワクチンを打ってもらうことは、その子たちを守るとともに、社会全体にとってもプラスだということです。