渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
渋谷区のトイレについての要望書を長谷部区長に提出してきましたのでご報告いたします。
<要望書>
令和5年3月8日
渋谷区長 長谷部 健 殿
渋谷区議会議員 鈴木 建邦
公共トイレ等設置に関する要望
区政進展に向けた努力に心より敬意を表します。
渋谷区はトイレという生活インフラにおける諸問題解決に向け、2018年にトイレ環境整備基本方針を策定・公表し、また2020年からこの理念に賛同いただいた日本財団と協同してトイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を進めていると認識しております。
さて、昨日(3月7日)渋谷区ウェブサイトで「渋谷区立幡ヶ谷公衆便所について」というページが公開されました。これは幡ヶ谷公衆便所の整備の経緯説明と施設配置を示したうえで「渋谷区では今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くございません。」とのコメントが掲載されております。
本件においては、区内外からいただいている声は主に「性犯罪等の温床にならないか不安」「男性も使うトイレには抵抗感がある」という話です。この公衆便所においての説明も「なぜ共用トイレ2基にしたのかの理由」および「防犯の観点からの取り組み(防犯カメラ設置や1基を女性専用化するなどが望ましい)」を行っていただく必要があると思われますので、ご対応いただきますようお願いいたします。
併せて、トイレ環境整備基本方針については様々な事情を抱えた方のトイレ利用について詳細に検討しておりそれぞれの利害対立にも誠実に対応した素晴らしい方針であると思いますが、本件で分かるように「防犯・安全安心」の観点での言及が不足しているように思います。
この点ご留意いただき、改正して今後のトイレ整備に反映していただくようお願いいたします。
以上、要望いたします。

<提出の背景>
もともと公衆トイレは暗い・汚い・臭い、でした。率直に言って女性の利用が難しいものでありました。
今回のトイレプロジェクトは
- クリエイターが加わることによりデザイン性高くできれいなトイレに生まれ変わる
- 建設にかかる費用は寄付により賄い、渋谷区の負担は軽減される
- 「トイレ環境整備基本方針」を反映し、様々な事情にできるだけこたえる
- 清掃等のメンテナンスもしやすいものにする
というものだと理解しています。
ただ、どうしても限られた敷地などの制約があるので、今回話題になったような「女性専用トイレ」のないものなども出ています。これに対して不安感を覚える方がいらっしゃることが可視化されました。
そこで、安全・安心を確保していく観点から、区に追加の説明と対応を求め、かつ整備基本方針をさらに安全側に倒した運用をするよう要望しました。
なお、「渋谷区トイレ環境整備基本方針」は、様々な事情の方がそれぞれ別の利害を持っていて(たとえば車いすのかたは広いトイレが良くて、視覚障害の方は広いとよく見えないので狭いトイレのほうが良い、など)全員を満たすのは本当にむつかしいという事実に正面から挑んだ素晴らしい資料です。この機会にぜひご一読ください。
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