渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




渋谷区の公衆トイレが炎上した件、まだくすぶっていますね。
今回はこのトイレ問題についてまとめてみました。

何が問題になったのかはこちらをご覧ください。








<主張:私の考え方>




私の考え方は以下です。




  • もともと臭い・汚い・暗い・怖いトイレ(4K)と言われていたのが公衆トイレ
  • 迷惑施設からきれいなトイレ、ウォッシュレット付きで最新のトイレにコスト低く変わったのは前進
  • 女性を中心に今回疑問の声があがったのは、公衆トイレに対する女性を中心とした不満・不安が顕在化したもの
  • 短期的には防犯カメラ等の設置とトイレ環境整備方針の改訂が必要
  • 長期的にはさらに使いやすくて安全なトイレにしていきたいと決意



以下、簡単にまとめておきます。




<今までの経緯>




今までの経緯はこんな感じです。




  • もともと臭い・汚い・暗い・怖いトイレ(4K)と言われていたのが公衆トイレ(男性のわたしでも使用に抵抗があった)
  • 近隣住民にとっては迷惑施設。メンテナンスコストもかなり大きな負担。
  • コスト削減のためにネーミングライツ導入
  • 日本財団が寄付を原資にthe tokyo toiletというプロジェクトを実施。クリエイターとのコラボで作ったトイレを渋谷区に寄贈。
  • いろいろ炎上する







<長谷部区長に要望書を提出>




トイレの話題が上がった当初に、速やかに課題を整理し長谷部区長に要望書を提出しておきました。




  • 課題1:女性を中心に公衆トイレに対する不安があること
  • 課題2:渋谷区のトイレ環境整備方針は多様なニーズを整理したもので優れているが、安全の視点が抜けていたので改正する必要があること



実際の要望についてはこちらをご覧ください。なお、この要望書や委員会での議論を受けて渋谷区は公衆トイレに防犯カメラを設置すると表明しています。








なお、渋谷区のトイレ環境整備方針は多様なニーズを正面からとらえた意欲作です。それぞれのニーズが対立する構造も明確にしています。ぜひご一読ください。
これをさらに防犯の観点も含めて書き換えるように提案しました。








<今後の課題>




今後の課題は以下と整理しています。




  • 防犯について:公衆トイレに防犯カメラが付いたことは一定の成果だが、盗撮・性行為等の課題は残っている。屋内外のトイレ内部における不正行為の防止に踏み込む必要がある(女性専用トイレ化は必ずしも盗撮の対策として十分ではない)
  • デザインと不具合について:著作権が発生している場合があり、その場合簡単にデザイン等の修正ができない。クリエイターが使い勝手のいいトイレを作れるとも限らないことが明確になったため、改築等の修正を円滑に行うことが課題
  • キャパシティの問題:寄せられる声には地震等有事におけるトイレの確保に不安を訴えるものも多かった。また渋谷駅周辺のように絶対的にトイレのキャパシティが不足しているところもある(交通事業者などからしばしばいわれます)。十分なキャパシティを確保する必要がある



これらの課題解決を進めていかなくてはなりません。




<参考:令和5年度予算討論におけるトイレ部分>




令和5年度の予算に対する討論を3月21日に行いました。その部分の原稿を参考までに掲載しておきます。




課題の第二はデザインです。話題のthe Tokyo toiletやアロープロジェクトなどが典型ですが、安全や使いやすさ・わかりやすさが前提にあっての高いデザイン性、新規性であろうと思います。この辺りにご留意いただきつつ、さらにデザインの力を活用していただくよう要望いたします。
これは私の雑感ですが、巨匠と言われる方は本当にユーザーフレンドリーなのか?疑問を持ってしまいます。区民目線、ユーザー目線でのデザイン活用を願うものです。
私はデザインの力を信じていますので、ぜひ適切にご活用いただくようお願いいたします。

課題の第三もトイレです。昨今のトイレを巡る騒動は実態とかけ離れたご批判も散見されるものの、トイレに対する女性を中心とした潜在的な不満や不安が顕在化したものと考えています。
3月8日に区長に要望書を提出いたしましたが、既存の公衆トイレにおいて防犯カメラ設置等を進めるとともに、トイレ環境整備方針について防犯・安全安心の観点を盛り込んで改正することが必要です。トイレ環境整備方針は様々な事情を抱えた方のトイレ利用についてできるだけ配慮することを目指した先進的な取り組みです。これを前向きにアップデートしていくことを求めます。
併せて、トイレにおいてはキャパシティが非常に重要であるということも明らかになりました。現在渋谷駅周辺は公衆トイレのキャパシティが十分でなく、特に交通関係者からは不足が訴えられています。これらトイレをめぐる課題の解消を強く求めるものです。

(令和5年3月21日 渋谷区議会本会議にて発言)