渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
文部科学省で、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」に関する新しい教育課程の検討が進んでいます。
いわゆる「ギフテッド」と呼ばれることもある、特定の分野に強い関心や高い能力を持つ子どもたちについて、学校教育の中でどのように支援していくか、という議論です。
現時点では、まだ制度が確定したわけではありません。あくまでワーキンググループの取りまとめ案の段階です。そのため今回は、「何が決まったか」ではなく、「何が議論されているのか」を簡単に整理します。

英才教育ではなく、困りごとへの支援として考える
前提として大事なのは、これは「一部の子どもを選抜して英才教育する制度」ではない、という点です。
IQいくつ以上を機械的に選抜するような案ではなく、あくまでも子どもの困りごとを軽くし、成長につなげようという議論だと受け止めています。
特異な才能のある子どもは、単に「よくできる子」というだけではありません。授業の内容が合わず苦痛を感じたり、周囲との関係で悩んだり、不登校につながったりすることもあります。
そのため、才能を伸ばすだけでなく、学習上・生活上の困りごとを軽くする「支援」として考える必要があります。
議論されている制度のイメージ
議論されている制度のイメージは、大きく言えば「2階建て」です。
まず1階は、通常の学級・通常の教育課程の中での支援です。ICTの活用、発展的な課題、個別最適な学びなどを通じて、できるだけ通常の教室の中で一人ひとりに合った学びを工夫します。
そのうえで、それだけでは十分な支援が難しい場合に、2階として「特別の教育課程」を活用することが検討されています。
たとえば、大学や研究機関、博物館、外部プログラムなどと連携し、特定分野について高度な学びや探究活動を行うことなどが想定されています。
通常の教室から切り離すのではなく、多様な子どもたちが共に学ぶ通常の学級の価値を大切にしながら、必要な支援を加えていく発想です。
特別支援教育などでも、必要な時間だけ別の場で必要な指導を行う「取り出し」の支援がありますが、それに近いイメージです。学校に在籍しながら、必要に応じて外部機関やオンラインも活用する形が検討されています。

「社会モデル」に近い発想
今回の議論には、「社会モデル」に近い発想もあると感じます。
困りごとを本人だけの問題にするのではなく、学校や社会の側が環境を調整し、子どもに寄り添っていく。そうした考え方は、とても大事だと思います。
もちろん、制度化にあたっては注意も必要です。子どもにラベルを貼ったり、過度な競争を生んだりしてはいけません。また、外部機関と連携する場合には、安全管理、個人情報の保護、指導者の倫理面の確認も欠かせません。
私の受け止め
今回の取りまとめ案は、まだ検討段階です。
しかし、「みんな同じ内容を同じペースで」という学校教育だけでは支えきれない子どもたちがいることは、重要な問題提起です。
特異な才能のある子どもを特別扱いするのではなく、その子に必要な支援をどう届けるか。そして、その学びを本人だけでなく、周囲の子どもたちや学校全体の学びにもどう還元していくか。
今後も国の議論を注視しながら、子ども一人ひとりの「好き」や「得意」が伸びる教育環境について考えていきたいと思います。
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