渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

今日は知り合いの小学生パパが企画した「映画・みんなの学校上映会」に参加してきました。

「みんなの学校」は、インクルーシブ教育(障害の有無に関わらず受け入れ、ひとりひとりにあった支援を行う教育スタイル)で知られた「大阪市立大空小学校」のドキュメンタリーです。

こういうのを保護者側が自主的に上映会するのって素晴らしいですね。本当にありがとうございました!

 

大空小学校については、議員の視察は受け入れないので、知り合いの元議員に代理で視察にいってもらいました。詳細はこちらをご覧ください。→ (ブログ記事)

 

 

さて、内容は知ってましたがじっくり見たことなかったので、この機会に見てきました。

実にいい。泣きます。こんな学校ばっかりだといいなあ…

 

いわゆる困難児といわれる子に焦点をあてています。例えば、前の学校で手におえなかった子。特別支援の境界の子。貧困などの理由でかネグレクト(育児放棄)気味の子。いろんな子が出てきます。

校長先生同士の申し送り文を先生たちに読み上げたあと「…とかいてあるけど、先入観を持たずに対応していこう!」との校長のひとこと。しびれました。

 

映画が進むと描かれているのですが、ひとりひとりのこどもは実に素直なんですよね。いろいろ傷つくようなことがあってもうまく伝えられず、その結果いきなり教室から逃げ出したり、騒いだり、暴力振るったり。どこかに原因があって、粘り強く聞き出し解消していけば周りも本人もだんだん反省し成長していく。

それを知っているから先生方はまずひとりひとりを理解する。本人はなにが嫌でなにをしたいのか見極めて、優しく・でも締めるところはビシッと締めて、ひとつでも前進したら大いに誉めて。また周囲のこどもたちにも働きかけ、サポートさせるなかで彼ら自身の成長も促す。

 

強調しておきたいんですが、周りの子もすごく成長していきます。自分がどんな言動をすべきなのか、役割を担ったらいいのかものすごく考える。

例えば、「あなたは勉強できるからいいけど、○○ちゃんは今まで学校こられなかったからできないことがある。それなのに『できないとあかん』なんて言われたらどう思う?」と投げ掛けられて一生懸命考えるんです。

当たり前ですが、均質的な学校と違って社会に出たらできるできないが人によって違いますよね。相手の立場や背景まで汲み取った上での対応が求められる。そういう極めて大事なトレーニングを大人の目があるなかでしているんだなと思います。

残念ながら多くの学校では、こういう学びはホントのところなかなかできないのではないかなあ。

 

戻ります。校長先生も素晴らしいし、教員やスタッフも、児童も、そして支える近隣のサポーターも。ホントに素敵な学校だなと涙出てきましたよ。

 

 

ただ、地方議員としては、素晴らしい校長がいなくてもできるようにしたい。普通の校長や教職員であっても、ボランティアやスタッフがそこまで手厚くなくても、普通の学校でもこんな風にみんなが尊重される学校にしたいなあと。

そのためには、仕組みの力なんですよね。システム。どの学校でも、どの先生でも、ベストではないにせよ全員が(ここ重要)尊重されそこそこ満足できる状態を作り出せる「システム」。これを私は渋谷区の教育に導入したいです。

 

その辺の目当てはつけていて、何度も本会議で提案している『学び合い(上越教育大学西川先生)』が最適であろう、と考えています。

こどもたちが常にコミュニケーションを取りながら学んでいるからこそ、こどもたち同士がともに学び合う姿勢を持つからこそ、クラス単位での協力が課題解決に不可欠な仕組みだからこそ、そして先生方がこどもたちを観察し指導する時間が十分とれるからこそ、実現できるのではないかなと。

実際、重度の障害のある子でも成果が出ているとも聞きます。ひとりの子も見捨てない教育をぜひ実現したいなあと強く願うところです。

 

改めて、素晴らしい企画をありがとうございました。深く考えるいい機会になったと感じます。心から感謝いたします。