
渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
幡ヶ谷・笹塚・代々木上原・東北沢に挟まれた大山町のとても広くて素敵な公園、代々木大山公園。
こちらに学校建て替えの時に利用する仮設校舎を20年弱建設する計画があります。地域の皆さんから嘆きと怒りの声をいただいています。広々した子どもたちにも人気の公園なので残念に思う気持ちはよくわかります。
7月18日に説明会があり、私も出席してきました。そこで受けた説明やその場での質問、その前後の反応などを加味して、要望事項を作成いたしました。それぞれの項目の背景や狙い、どれくらい期待できるかの目安もつけたうえで掲載します。
(ほとんどが「課題が大きい」になっているのは、再検討してもらえば万が一いい方向に動くかもしれないからです)
代々木大山公園の仮設校舎を無くすることはおろか、期間短縮も相当むつかしいと考えていますが、少しでも負担を軽減できるよういろいろ知恵を絞って提案します。
要望事項について
大山キャンパスは複数校の建替えを進めるため必要ですが、公園機能が長期間制約されます。そこで、利用期間・施設規模をできるだけ圧縮し、公園機能を維持するための検討を求めました。
1.大山キャンパスの利用期間短縮
上原小・上原中・上原社会教育館を一体的に玉突き整備
現時点での見立て:検討余地あり
上原小・中・上原社会教育館等を一体的に整備をし、上原小学校を使い続けながら機能を更新しようという案です。
もともと最初のロードマップでは上原小学校は「校庭に仮校舎を建てる」という方針でした。これを上原社会教育館等を絡めることで再浮上させようという案です。
メリットは
- 上原小児童が別の仮設校舎へ長期移転せず通いなれたところで過ごせる
- 上原小・上原中の接続が改善する(社教館内に導線を作る)
- 社会教育館と両校の地域開放部分を一体運用し、社会教育・社会体育の地域拠点として再編できる
- 大山公園仮設校舎の利用期間が短縮される
上原小学校児童や保護者にとっても非常に良い案です。なんといっても同じ場所に通い続けられるのは非常に大きいですね。
もちろんデメリットもあります。工事手順が難しい、工事期間中の安全管理に気を遣う、費用面や工期の延長、校庭利用が制限される、上原中学の設備を借りるタイミングも発生する、数年おきにちょっとずつ引っ越しが発生する、学校運営は多少難しくなる、などの課題も検証する必要があります。
いったん区が放棄した案ですが、 児童にも保護者にもプラス面が大きいということで実現する可能性もそれなりにあるのではないかと考えています。
富谷小の仮設に西原キャンパスを利用する検討
現時点での見立て:課題が大きい
これも富谷小の児童・保護者にメリットのある案です。大山仮設を使うのではなくてスポーツセンターの西原仮設に変更する提案です。
メリットは、
- 元代々木地域の児童を中心に近くなる子も出てくる
- ハチ公バスや路線バスが利用できるようになり登校やお迎えの利便向上
- 建て替えが約1年前倒しになる
- 大山キャンパス利用期間の短縮
もちろんこれもデメリットがあって、西原キャンパス自体の利用が延長されることなどがあります。もともとのスポーツセンター利用者や周辺住民に6年程度の延長を納得していただけるかがポイントになります。
2.大山公園の機能維持・向上
大山キャンパスの4階利用や地下空間活用を検討
現時点での見立て:課題が大きい
建築面積を抑え、遊び場・広場空間をできるだけ確保する提案です。高さ制限があること、工期延長が難しいこと、費用もかさむこと、などを考えるとちょっと実現可能性は低いのかなと思います。
あと、公園の仮設校舎なのに4階を利用するのは難しいという声も行政から聞きます。
特に厳しいのは高さ制限(4階利用)と工期延長(地下利用)です。スムーズに住民説明会や設計などが進んで工期が確保できるならあり得るかもですが、現時点では「危ない橋」と言わざるを得ません。
野球場1面の小規模化などを検討
現時点での見立て:課題が大きい
2面ある野球場のうち1面を「年少向けグラウンド」と銘打ってギリギリまで小型化し、野球機能とオープンスペースを両立できないか検証してほしいという話です。
大会などの要求水準や安全確保マージンなどにもよる話なので難しいかなとは思いますが、検討はしてもらいたい項目です。

体育館等の恒久的な地域利用を検討
現時点での見立て:検討の余地あり
都市公園法で公園面積の原則2%まではトイレやレストハウス等の施設が立てられます。代々木大山公園に当てはめると約300㎡弱です。体育館等をこれに充てることで、仮設ではないしっかりした建物にし、恒久的に地域の皆さんのスポーツ、防災、交流、子どもの居場所などに活用しようという案です。
体育館等と使い分けていてややこしいですが、主には体育館棟の重層化と、それによる校舎棟の建築面積の縮小も可能性を見ています。
300㎡は小さめで難しいですが、 様々な特例が使えないか、またピロティ構造で広場一体型で活用などはどうか、特別教室などならどうか、などさまざまに検討してもらいたいところです。
3.説明会の運営改善
土木部、学びとスポーツ部など関係部局も説明会に参加
説明会を聞いていて一番感じたのはこれです。公園行政や社会教育行政などは所管外なのでスパッと答えられない。越権行為になってしまうかもしれない。
でも参加者からしてみればそんなの関係ありませんから「計画しているのになぜ答えられない!」とフラストレーションがたまる原因になっています。
事前質問・リアルタイム質問フォームを導入
今回の説明会の質問の冒頭、ひとりの方が「公園に仮設校舎を建てる許可を得ているのか?」と質問しました。
回答は「事前に相談をしている。適切な時期に許可を取る」ところが回答が 納得いかなかったのか何度も同じ質問をなさっていました。
これは正直、不毛だったと思います。
「許可を取るには図面が必要だが、図面は配置をある程度確定しないとでない。今は配置を決める前だから許可を取る段階にたどり着いていない。許可を取る前段階の相談はやっていて、特に問題は指摘されていない」
とでもいえばよかったんでしょうけど、口頭でこれをすぐに理解しろというのもなかなか難解ですね。
ということで、質問フォームの導入を提案しました。いろいろなメリットがあって
- 重複質問を整理 できる
- 欠席者の質問にも対応できる
- 回答できなかった質問は後日一覧で回答できる
と、限られた時間でより多くの疑問に答えられる運営へ改善できることは大きなメリットです。
欠席者にも対応できますし、当日いらっしゃった方でフォーム入力に慣れていない方は手を挙げて通常通り質問をしてもらえばいいわけです。
ぜひこれは実施していただきたいと思います。

<要望書本文>
令和8年7月22日
渋谷区長 長谷部 健 様
渋谷区教育委員会教育長 伊藤林太郎 様
渋谷区議会議員 鈴木 建邦
大山キャンパス整備及び大山公園の機能維持に関する要望
区政進展に向けた努力に心より敬意を表します。
大山公園への仮設校舎「大山キャンパス」の整備については、複数校の建替えを短期間に進めるため必要不可欠である一方、公園機能が長期間にわたり制約されます。利用期間や施設規模を可能な限り圧縮するとともに、公園機能をできるだけ維持させる工夫が必要です。
よって、以下について検討を求めます。
記
1.大山キャンパスの利用期間短縮に関する検討
(1)上原中学校・上原小学校・上原社会教育館等を一体的に玉突き整備する手法を検討すること
上原小学校については、隣接する上原社会教育館等を含めた敷地・施設の再編により、児童が現在の学校敷地を離れずに再整備できる可能性を検討してください。
この方式には①上原小学校の児童が長期間別の場所へ移転する負担がなく、通い慣れた環境で学校生活を継続できること②プール利用などを含め上原小学校と上原中学校との接続を改善できること③上原社会教育館、上原中学校の地域開放部分、上原小学校の地域開放部分を一体的に管理・運用することで、社会教育・社会体育の一体的な地域拠点を形成できること④大山キャンパスの利用期間を短縮できる可能性があること、といったメリットがあります。
一方①工事手順が複雑になることや②各棟間の接続、児童と地域利用者の動線、防犯上の区画などに十分な配慮が必要になること③上原小・上原中間の移動時の事故防止の措置が必要であること④資金と時間が嵩むこと⑤校庭等が使いづらくなる時期があること、がデメリットとして挙げられます。
また、1989年完成と比較的若い上原社会教育館にはいわゆるリファイニング工法の検討余地があるのではないかと考えます。ご検討ください。
(2)富谷小学校の仮設校舎を西原キャンパスへ変更することを検討すること
富谷小学校について、大山キャンパスではなく西原キャンパスを利用する案を改めて検討してください。
想定されるメリットとして①大山キャンパス利用より1年程度早く建替えに着手できる可能性があること②元代々木地域を中心に、児童にとってアクセスしやすい可能性があること③ハチ公バス、都営バス等の公共交通を活用しやすいこと④大山キャンパスの利用期間短縮につながることが考えられます。
一方、①西原キャンパスの使用期間が延びる②追加補修・設備更新が必要になる可能性があることなどデメリットももちろんあります。これらを踏まえ検討してください。
2.大山公園の機能維持・向上に関する検討
(3)大山キャンパスの4階建て化や地下空間利用を検討すること
仮設校舎の建築面積を抑え、公園の遊び場面積を最大限確保する観点から、4階の利用や地下空間の活用について検討してください。
(4)野球場の一部を年少向けの小規模グラウンドにできないか検討すること
野球場について、現在と同規模のグラウンドをすべて維持することを前提とせず、利用実態や大会運営を踏まえ、1面を年少向けのミニサイズとするなどして必要面積を圧縮できないか検討してください。
学童低学年等の試合を小規模グラウンドへ振り分けることで、野球機能を維持しつつ、公園内の広場・オープンスペースを確保できる可能性はないでしょうか。
(5)体育館等を恒久的な地域利用施設として活用できるよう検討すること
大山キャンパス整備に伴い設置する体育館等について、仮設校舎利用終了後に撤去することを前提とせず、地域の社会体育・防災・交流機能を担う恒久施設として残すことを検討してください。
また、地域開放部分も含め、屋内外を一体的に利用できる配置・設計としてください。
学校利用終了後も、体育・スポーツ、地域交流、子どもの居場所、高齢者を含む地域活動、災害時の避難・支援などに活用できる施設となることを求めます。さらに恒久施設とすることで重層化と校舎建築面積の縮小を模索していただきたい。
3.大山キャンパス説明会の運営改善
(6)関係部局の陪席を求めること
大山キャンパスは公園、スポーツ施設、地域利用、防災、交通等に幅広く関係する計画で、質問項目も多岐にわたることから、説明会には教育委員会のみならず、土木部、学びとスポーツ部その他関係部局の担当者も陪席し、その場で所管事項について回答できる体制を整えてください。
(7)事前質問及びリアルタイム質問フォームを導入すること
説明会では、事前に質問を受け付けるフォームを設置するとともに、当日もスマートフォン等からリアルタイムで質問を投稿できる仕組みを用意してください。そのうえで手上げの質問にも対応すること。
寄せられた質問を、同趣旨ごとに整理すること、重複質問をまとめること、回答できなかった質問についても後日一覧で回答することなどの運用とすることで、日程的に出席できない方に対応するとともに、当日の説明を簡潔で的確なものにし、限られた時間内でより多くの住民の疑問に答えられるよう改善を求めます。
以上



