
渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
本日、渋谷区長、渋谷区教育長、および渋谷保健所長に対し、麻疹(はしか)の集団感染対策に関する緊急要望書を提出いたしました。
2026年4月20日に新宿区の小学校で発生した事例を重く受け止め、隣接区であり、かつ接種率に課題を抱える当区において、科学的根拠に基づいた対策をとる準備を求めるものです。
以下、割と専門的になるかもしれませんが書いておきます。
目次
1. 現状認識と疫学的リスク
新宿区の事例(2026年4月21日発表)では、感染者18名のうち16名(約89%)が2回接種済みというブレイクスルー感染が確認されました。
これについては以下の通り考えています。
- ワクチンのパラドックス: 接種率が高い集団(2025年新宿区2期:約87%)において、未接種者が激減した結果、発症者の大半を接種者が占める現象。個人的な推計は100人強が暴露し、2回以下接種者の発症率100%、2回接種者発症率10%程度ではないかと考えています。かなり高めですが、それだけ学校は濃厚接触しやすい空間だということです。
- 免疫の減衰(Immunity Waning): 社会の清浄化により、野生株に触れる「自然なブースター効果」が失われ、2回接種者でも抗体価が低下している可能性があります。
- 渋谷区の脆弱性: 当区の2期接種率は新宿区に比して3%強低く、同様の事例が起こった場合に感染拡大のリスクが高いと考えています。
2. 要望の骨子(5項目)
渋谷区が新宿区に比べてリスクが高いという認識に加え、学校を重視すべきと考えました。一般的に感染症は学校等の集団感染により早期に拡散されます。また、感染にしろ学級閉鎖等にしろ生活への影響は甚大です。よって、公立学校における集団感染への準備を焦点に緊急要望を作成しました。
① 感染遮断プロトコルの整備
感染圧をできるだけ軽減するために迅速な学級・学年閉鎖を検討すべきと考えます。そのために判断基準(プロトコル)を明文化して備えておくこと、学級閉鎖等は生活への影響が大きいことから事前に保護者に公表して予測可能性を高めることを目的としました。
② 長期閉鎖を見据えた家庭支援策
前述した通り学級閉鎖等は生活への影響がただでさえ大きいです。それに加え、麻疹の潜伏期間(最長21日)から閉鎖が長期化することも考えられます。その観点からオンライン学習の即時提供、および共働き家庭への経済的支援(シッター助成、支援金給付等が考えられるが、実施できるもの)を事前に検討することを求めました。
③ 検査不要のMRワクチン緊急助成
保護者・教職員が学校にウイルスを持ち込む感染源となる可能性が高く、また児童生徒から感染する可能性も高くなることから、保護者・教職員を対象に定額5,000円程度の接種助成を行うことを求めました。
スピードを重視し、費用と時間のコストがかかる抗体検査は原則省略とする「プレ・エンプティブ(先制的)」な対応を求めています。原則としたのは妊娠時の母体への影響等を考える必要があるためです。
保護者は渋谷区の既存制度が活用できるが抗体検査が要件であるため迅速性を考慮し新制度が必要です。また教職員は区外居住の方が多いため既存制度では対象にならず、その意味でも新制度が必要です。
④ ワクチンの戦略的確保
需要急増による在庫枯渇を防ぐため、区内の流通在庫を把握し、定期接種対象者の分を確保した上での調整機能を強化することを求めました。
⑤ 保健所体制の動的強化
積極的疫学調査など感染者数増による事務量の急増に備え、保健所職員体制が臨機応変に増強できるよう準備を求めました。
3. 補足
本要望は、2回接種の有効性を否定するものではありません。むしろ、2回接種により守られているからこそ「軽症(修飾麻疹)」となり感染が見逃されたり、自然なブースター効果が得られず抗体価が下がってしまったりといった状況があると考えています。
そこで「個人の予防」ではなく、渋谷区として「集団免疫のメンテナンス」と「社会機能維持」に取り組むことを企図したものです。
以上、生成AIを活用して記事を書いています。
4.要望書本文
令和8年4月24日
渋谷区長 長谷部 健 様
渋谷区教育長 伊藤 林太郎 様
渋谷保健所長 猿田 克年 様
渋谷区議会議員 鈴木 建邦
麻疹集団感染対策に関する緊急要望
区政進展に向けた努力に心より敬意を表します。
輸入されたウイルス由来の麻疹感染が全国に広がる中、新宿区立小学校では集団感染が発生し21日付で学年閉鎖が行われました。隣接区として、また定期接種の2期接種率で新宿区に比べ3%強低い当区としては、アウトブレイクに備えて警戒を強める必要があります。
今回の集団感染で特筆すべきは2回接種者が感染者の大多数を占めていることです。感染者の見逃しや広範な暴露が想定されるとともに、社会全体の感染者数減少により自然なブースター効果が得られず抗体価が低下していることなどが示唆され、従来の「2回打てば安心 」という常識を見直す必要があります(※)。
すぐそばにある危機から子どもたちと社会全体を守るため、下記の通り迅速な対応を要望いたします。
記
- 公立学校において、迅速に学級閉鎖等を行う等の麻疹感染遮断プロトコルを整備し公表すること。
- 学級閉鎖等は児童生徒のみならず家庭の負担が大きい上に、麻疹では潜伏期間等が長く長期化しやすいことから、家庭への早期の情報提供を徹底するともに、学級閉鎖等が起きた場合のオンライン学習、経済的支援など児童生徒及び家庭への支援策を検討すること。
- 予備費を流用し、保護者・教員を対象にMRワクチンの緊急助成を行うこと。半額相当の5000円程度が望ましい。抗体検査は費用負担が変わらず日程確保等の負担がかかることから必要である場合を除き省略すること。
- ワクチンが不足しないよう区全体で確保調整すること。
- 感染拡大による業務の急増に備えるとともに、効果的な施策を迅速に展開するため保健所の職員体制を臨機応変に増強できるよう準備すること。
以上
(※)2回接種には発症予防や重症化防止の効果が高いと思われますが、その結果暴露機会が失われ自然なブースター効果が効きづらくなっている、あるいは感染者を見逃す可能性があるという現状をさしており、2回接種に意味がないというつもりは毛頭ありません。



