渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
2030年の次期学習指導要領改訂に向けて文部科学省で作業が進んでいます。各教科などの単位で取りまとめが行われており、簡単に読み解いていこうと思います。
今日は「外国語WG取りまとめ案」です。
まだ指導要領の最終決定ではありませんが、今後の小中学校の英語教育を考えるうえで、地方議員としても押さえておきたい内容です。
今回のポイントは、大きく3つです。

1. 「難しすぎた小中英語」の見直し
まず大きいのは、小中英語の負担感が見直される方向であることです。
小学校では学年が上がるごとに英語を学ぶ意欲が下がる傾向がはっきり出ているうえに、中1ギャップがかなり大きく立ちはだかります。
中学の先生に伺うと「小学校で英語嫌いになるのが困る」とよく言われます。
中学では語彙数も扱う文法も多すぎるとの指摘があり、絞り込みます。語彙リストを国が作成します(なんと「学年で習う漢字表」のようなものは今はないのです)。文法も絞り込みます。
その代わり繰り返し扱うことで、確実に身につけ、活用できるようにする方向が示されています。
要するに、「たくさん詰め込む英語」から、「大事なものを確実に使える英語」へという見直しです。
2. AI時代に英語を学ぶ意味を問い直す
次に重要なのは、AIとの関係です。
翻訳などの精度向上から「もう英語を勉強しなくてもいいのでは」と思う人も出ていて、「将来英語を使いたい」と考える生徒の割合は減少しています。
それをうけて、取りまとめ案ではAI時代に外国語を学ぶ意味を改めて整理する必要があるとしています。異なる文化や価値観を理解し、自分の考えを伝え、人間関係を豊かにする力が重視されています。
また、AIを含むデジタル学習基盤の活用を学習指導要領に位置付ける方向も示されています。
正直、業界最高峰とも呼ばれるELSAを導入している渋谷区とは違い、安かろう悪かろうのダメダメ英語AIを使っている自治体もあるようですけど、質の高い学習相手、会話の練習や作文のコーチとしての生成AIの利用はマストだと思います。
3. 自治体独自の工夫がしやすくなる
地方議員として特に注目したいのが、調整授業時数制度です。
これは、地域や学校の実情に応じて、授業時数をより柔軟に調整できるようにする仕組みです。英語に時間を重点配分したり、国際交流イベントや英語キャンプなどもカリキュラムに入れたりすることができるようになります。
さらに、高校生でCEFR B2レベル(だいたい準1級)をもつ生徒には必修授業の免除が認められるようになり、その時間で大学の授業の履修や海外含むサマースクールへの参加等が可能になります。
補足:自分や地域を英語で語る学びへ
今回の案では、小学校の高学年から中学生にかけて「自分のことや住んでいる地域のことを英語で話す」が重視されています。
これはちょっと地方議員としては重要だなぁと。
地方議員として思うこと
今回の見直しは2030年から順次導入されます。
しかし、「小中の英語が難しい」とかAIをツールとして有効に活用しようとか、
英語力のある子は別扱いにしようとか、 自分の地域のことも英語で語れるようにしようとか、
その辺の課題はすでに起きていること。
ですから、自治体レベルでできることは今から柔軟に反映してもいいんじゃ?とは思います。
特に小学校での英語嫌いは…あまりにもかわいそうなんで何とかしてあげたいですね。
参考資料
- 文部科学省「教育課程部会 外国語ワーキンググループ」
- 文部科学省「教育課程部会 外国語ワーキンググループ 第13回 配付資料」
- 文部科学省「外国語WG取りまとめ案」
- 文部科学省「調整授業時数制度等の具体化について」



