子どもの可能性を広げる渋谷へ。教育・安全・健康を前に。
「令和8年度渋谷区当初予算案の概要」(渋谷区サイト)に掲載された主要16事業について、私が前年秋に提出した予算要望との対応関係を整理しました。要するに提案が渋谷区の目玉政策にどれくらい入ったかという話ですね。
もちろん、予算は、議員一人だけの力で決まるものではありません。区長部局、所管課、他の議員、国や東京都の制度、社会情勢など、さまざまな要素によって形になります。
一方で、議会で課題を提起し、予算要望として具体的に示していくことは、制度改善につながる重要な仕事です。
今回、令和8年度当初予算案の主要16事業のうち、14事業が私の予算要望と一致、または関連する内容となっていました。割合にすると約87%です。
このページでは、「自分がすべて実現した」という趣旨ではありません。「提案が100個実現!」みたいな自画自賛は好きではありません。ただ、これまで提案・要望してきた方向性が、令和8年度予算案にどのように反映・関連しているかをきちんと分かりやすくお伝えすべきかなとおもい、作成しました。
対応度の見方
- A:明確に対応……要望と予算案の内容の対応関係がかなり明確なもの
- B:方向性が一致……要望してきた政策の方向性と一致しているもの
- C:関連あり……直接の一致ではないが、要望の考え方と親和性が強いもの
なお、私の令和8年度予算要望の全文は、別ページに掲載予定です。
主要16事業と予算要望の対応関係
| 番号 | 予算案の主要事業 | 対応度 | 私の要望との関係 |
|---|---|---|---|
| 1 | 子どもみらい創造プログラム | 対象外 | 区立保育園への英語・体操・文化芸術等の導入については、私の予算要望には直接の記載はありませんでした。 |
| 2 | 子育て支援の充実 | B | 物価高騰を踏まえた子育て支援の拡充を求めました。方向性が一致しています。バースデーサポートは6万円相当から10万円相当へ拡充されます。 |
| 3 | 朝キッズ(朝の見守り事業) | A | 小学校低学年などを対象とした早朝預かり・朝の見守り制度を実際に毎週金曜日やっていましたし、全校で実施するよう求めてきました。全区立小学校で実施されます。 |
| 4 | 福祉人材支援手当 | A | 福祉・保育・介護人材の待遇改善を訴えてきました。今回は福祉人材だけですが、区独自の月額1万〜2万円の手当が盛り込まれました。 |
| 5 | 高齢者スマートフォン購入費助成事業 | A | 高齢者のデジタルデバイド解消、初めてスマホを持つ人への支援をもとめました。最大5万円の助成が予定されています。 |
| 6 | 移動支援事業 | B | 障がい者の移動支援強化、通学・通所支援の拡充、支援従事者の処遇改善という方向性と一致しています。 |
| 7 | 健康増進事業 | A | 妊婦へのRSウイルス母子免疫ワクチン接種全額助成を求めてきたものが実現しました。5歳児健診、産婦健診、1か月児健診なども含まれています。 |
| 8 | 地域スポーツ・文化活動の支援 | A | シブヤユナイテッドや部活動の地域展開は文科系の充実、そしてマルチスポーツ化を長らく求めてきました。子どもの健全育成と多様な可能性を広げる意味で大きな前進です。 |
| 9 | 避難所運営事業 | A | 乳幼児・母子向け備蓄として災害用段ボールベビーコットなどを求め、取り入れられました。避難所運営のデジタル化、避難所環境の改善などの要望も進みました。 |
| 10 | きれいなまちづくり | A | 落書き・ポイ捨て対策、路上喫煙対策、ごみ箱設置など、繁華街と住宅街が近接する渋谷の公共空間を守るために今まで提言してきた内容が盛り込まれました。あとはごみ箱設置。 |
| 11 | 玉川上水旧水路緑道の再整備 | C | 住民意向を最大限反映し、地域特性に応じて整備を進めるべきという考え方と関連しています。 |
| 12 | 地域公共交通事業 | A | デマンド交通の区内全域への拡大、高齢者・妊婦・子育て世帯等への移動支援が取り入れられました。 |
| 13 | 都市連携事業 | 対象外 | 茅野市・飯田市との交流事業については、私の要望とは直接の対応関係は確認できませんでした。 |
| 14 | 白根記念渋谷区郷土博物館・文学館のリニューアル | C | デジタルアーカイブ、AIガイド、デジタル技術を活用した展示など、文化資源の活用とデジタル化の方向性が提案と一致しています。 |
| 15 | デジタル地域通貨事業 | A | ハチペイ導入店舗の拡大、区民還元、初めてスマホを使う高齢者への支援などが引き続き充実します。 |
| 16 | 未来の学校プロジェクト | A | 学校建て替えロードマップの見直し、遅れの最小化、子どもの学びの環境整備という要望と明確に対応しています。 |
特に重要だと考える反映項目
1. 朝キッズ(朝の見守り事業)
小学校の始業時間と保護者の出勤時間のずれは、いわゆる「小1の壁」の一つです。令和8年度予算案では、全区立小学校で朝の見守り事業を実施する内容が盛り込まれました。
実際に私も1年半ほど、毎週金曜日の朝は富谷小学生児童の登校前預かりをやっていました。そこから一定のニーズはあったことで要望いたしました。
子どもが朝の時間を安全に過ごせることは、保護者の就労支援であると同時に、子どものウェルビーイングにつながります。今後は、実施体制、見守りの質、学校現場への負担を確認していきます。
2.高齢者スマートフォン購入費助成事業
齢者がハチペイや防災アプリなどを使えるようなスマートフォンを購入する場合に最大5万円が助成されます。高齢者はらくらくホンや古い携帯電話を使っているケースがあり、こういう区のアプリが利用できないことがあるから、スマホにシフトしてもらおうというものです。
これは必ずしも高齢者だけにメリットがある制度ではありません。スマホで便利に行政サービスを受けたり、ハチペイのお得さを享受したりするためには、「スマホ使えない😢」という人を減らすことが不可欠だからです。
「渋谷区のほとんどの人はスマホを使える」ということになれば、それを前提に区のサービスはさらに改善できます。結果としてすべての人が恩恵を受けられる可能性がある。
そういう意味でデジタルデバイドの解消は極めて重要だと思っています。
3. RSウイルス母子免疫ワクチンなど健康増進事業
令和8年度予算案では、妊婦へのRSウイルス母子免疫ワクチン、5歳児健診、産婦健診、1か月児健診、骨粗しょう症検診、高用量インフルエンザHAワクチンなど、予防と早期支援に関する事業が大きく盛り込まれました。
健康予防は、本人や家族の安心だけでなく、医療・介護・行政の将来負担を減らす政策でもあります。引き続き健康政策の充実を図っていきます。
4.地域スポーツ・文化活動の充実
シブヤユナイテッドや部活動の地域展開、スポーツ活動の充実などが盛り込まれました。
もともと子育て教育にあってはマルチ活動化することが極めて重要だと思っています。うちの子はボーネルンドやキドキドで育ちましたが、いろいろな動きやスポーツ・文化活動を行うことがこどもの成長には必要です(キドキドのリンク先をご覧ください)。
その意味で、部活動の外部化は文科系の充実、そしてマルチスポーツ化を長らく求めてきました。子どもの健全育成と多様な可能性を広げる意味で大きな前進です!
5. 避難所運営事業
避難所については、乳幼児用段ボールベッド、液体ミルク、授乳服、授乳パッドなどの母子向け備蓄、避難所用ワンタッチベッド、避難所開設支援アプリ、備蓄品の適正管理などが盛り込まれました。
災害時に弱い立場の人ほど困難が集中します。子育て世帯、高齢者、障がい者なども含め、実際に使える避難所運営になっているかを確認していきます。
6.きれいなまちづくり
落書き・ポイ捨て対策、路上喫煙対策、ごみ箱設置など、繁華街と住宅街が近接する渋谷の公共空間を守るために今まで提言してきた内容が盛り込まれました。
2019年からの取り組みはブログ「渋谷の街を仕組みできれいに。鈴木けんぽうの提言とポイ捨て対策の軌跡」にまとめました。
この項目については、あとは公共ごみ箱設置がのこっています。こちらも頑張ります!
7. 地域公共交通事業
デマンド交通については、区内全域への拡大と、高齢者、妊婦、子育て世帯、障がい者等への支援が盛り込まれました。
坂が多く、駅やバス停から遠い地域もある渋谷区では、移動支援は生活の質に直結します。ハチ公バスもいつまで運行できるかわかりません。利用しやすさ、アプリが苦手な人への支援を考えていきます。
8. 未来の学校プロジェクト
令和8年度予算案では、未来の学校プロジェクトに92億円を超える予算が計上され、学校建て替え、仮設校舎、西原キャンパス、ロードマップ見直しなどが進められます。
学校施設は、子どもの学びの場であるだけでなく、災害時の避難所であり、地域の基盤でもあります。子ども最優先で進めるよう求めていきます。
反映されなかった、または直接の対応が確認できなかった項目
主要16事業のうち、以下の2事業については、私の予算要望との直接の対応関係は確認できませんでした。
- 子どもみらい創造プログラム
- 都市連携事業
ただし、子どもみらい創造プログラムについては、子どもの多様な可能性を広げるという方向性自体は当然重要だと思っています。
今後について
予算案に盛り込まれることはゴールではありません。大切なのは、実際に子ども、区民、現場に届くことです。
- 制度が使いやすい形で設計されているか
- 必要な人に情報が届いているか
- 現場の負担が過度に増えていないか
- 効果検証の仕組みがあるか
- 必要に応じて改善できる運用になっているか
今後も、教育・安全・健康を中心に、子どもと将来世代のための基盤整備を進めるよう、議会で確認と提案を続けます。
関連資料
- 渋谷区「令和8年度当初予算案概要」
- 鈴木けんぽう「令和8年度予算要望全文」全文



