渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

ついに、ハセベケンさんが渋谷区長選挙に立候補表明しました。

 

’15統一地方選:渋谷区長選 長谷部区議、出馬表明 /東京(毎日新聞4月3日)

26日の統一地方選で行われる渋谷区長選に、同区議の長谷部健(けん)氏(43)が2日、立候補を表明した。政党の推薦や支持を受けない方針。

 長谷部氏は「教育と福祉で桑原(敏武)区政を受け継ぎ、私たちの世代の想像力を加え、よりクリエーティブにして区の発展に尽くしたい」と述べた。記者会見には桑原区長(79)が同席し、「若さと可能性に懸ける」と後継者に指名した。

 

実は、桑原渋谷区長が4選立候補断念を表明した1月4日の渋谷区賀詞交換会以来、私は長谷部さんに立候補を勧めていました。

長谷部さんの未来志向のビジョンは渋谷区長としてふさわしいと思ったし、かなり理屈っぽい私としては「ビジョンのある区長、現実的な立場から軌道修正と最適化を求める議会」という形で二元代表制を機能させて、面白くてかつ堅実な渋谷区政をしたいなぁという希望をもっていました。

 

残念ながら、その時は全くお考えがなかったようで、「そもそも政治やめようかとも考えている」とすら言われて残念に思ったのを覚えています。まぁそうだよなぁ、バランスが求められて制約の多い政治より、本人の信じた道をひた走れるNPOに戻る方が長谷部さんらしいかなぁと妙に納得したんですね。

 

その後、民主党は矢部はじめさんを推薦決定して、直後。

長谷部さんから「やっぱり、区長選を考えている。お前もそそのかしたんだから、一緒に面白いことやろうぜ!」と打ち明けられたんです。

 

うおー、マジか!!!

せめて一昨日言ってくれよ!!!(ほんとに、決定した翌日だったんです)

 

残念ですが、理屈っぽい私としては、すでに決まった政党推薦をひっくり返すのも筋が悪い、渋谷区長選の支援体制で政党を離党するのも理屈が立たないということで、腹をくくって矢部さんを応援することと致しました。

理屈と手続きを重視しないのは議会人として最低だと思うので、ちゃぶ台返し(決まったことをひっくり返すこと)は止めました。

 

hasebeken

勝手に使ってます。長谷部さん許してください。

 

長谷部さんのビラを拝見しましたが、夢があって面白い政策ばかりです。

ただ、政治のプロから見ると、予算みつもりが甘かったり制度がブレストに過ぎない点や、実際に効果が見積もれない点などが多くて、率直に言ってNPO等でやればいいのになぁとも思います。一例をあげると、

  • 「保育園と水泳教室」は、実際には学校の温水プールを使うと管理コストが相当かかるので割に合わないと思います。この辺は夏季小学校プール開放で去年さんざん議論した論点で、学校で使う以外の場合には監視員を雇う必用があります→なので、現実的な策としては、既に水泳連盟が行っている幼児スイミングの支援拡充、もしくは就学前オープンスクール(年長さんが小学校経験を積む)の中に位置づけてしまうというやり方が妥当かなと思います。
  • 「予防を重視」の項目でヨガやストレッチやマッサージが挙げられているけれども、費用に対して健康寿命の延長効果が測定できなければ難しいです。費用対効果が測定でき、かつ優れている予防接種行政でも、相当慎重な議論と理屈付けが行われました→その辺の整理をきちんとやらないと、後々思わぬしっぺ返しを食らいます。
  • 企業との提携は、相対ではなく公開でやるべきです。人間関係で押し込むとろくなことはありません。なにか提案をうけたら、きちんと公表して、疑われないようにするべきです。今回の宮下公園整備が止まったのは、その辺がおろそかになっていたことが遠因です。随意契約(入札せず、1社を指名して発注する契約)については厳しい時代ですから、慎重にやらないと無理が出てきます。
  • 「小さな森づくり」と称して、予算の3%ほどを土地購入にあて、緑化していこうという話が載っていますが、これは類似した政策が近隣自治体で失敗しているので慎重にならざるを得ません。

まぁ、いろいろ書いたけど、ハセベさんの方向性は悪くないと思うので、行政やわれわれ議員と練ればいいんだろうなぁと思います。とりあえずやってみようは禁物ですが。

あと、ハセベさんはどっちかっていうとイベントとか施設とか目に見えるものが多いので、重要だけど地味ーな制度変更などなどはこっちからいろいろ提案していきたいなぁと。例えば保育園に入れたご家庭と入れなかった方の格差解消とかですね。

 

あと、長谷部さんのやり方はちょっと強引かなとも思います。

たとえいい(と本人が思っている)制度や政策でも、思わぬ摩擦を生むこともあるので、「cool head,warm heart」(冷静な頭脳と温かい心)でやって欲しいなぁと思います。今回の多様性社会推進条例も、結構強引でした。だからこそ成立したとも言えますが、たくさんの課題と摩擦を残したとも言えます。

そういう意味では、桑原区長の対抗勢力として、慎重かつ丁寧に物事を進めていこうとながねん求めてきた矢部さんの方が好ましいです。なので、納得して矢部さんを応援します。

だから、長谷部区長になった場合には、一緒にで選挙される区議会議員の方はしっかり堅実に議論しようとする人がいいんじゃないかなぁ、そっちの方がバランスとれるからリスク回避できるだろうな、と思います。

私なら多分適任なんじゃないかなと…(手前味噌ですが 笑)

 

付け加えて、長谷部さんと矢部さんの場合は、どっぷり自民党に浸かっているいる村上さんとは違って、政党をとわずいい提案を採用しよう、としてくれるんじゃないかなぁと思います。 これは完全に期待でしかありませんが、確信に近いです。その辺は二人とも信頼できる。

 

 

 

以上、長谷部さんの政治家としての同期であり、同世代でもあり、いい点も欠点も近くで見ていてよく知っている立場として、応援はしませんがエールを送ります。頑張ってください。ぜひ区民のために、矢部さんと積極的な「善政競争」をしてください。

 エールはここまで。近いうちに、矢部さんの応援記事をガッツリ書きます。

(参考・ブログ記事)4つの重要論点で比較する渋谷区長選挙の立候補予定者

 

なお、他の渋谷区長候補・渋谷区議候補の動向については「2015年渋谷区議会議員選挙・渋谷区長選挙の予定候補者一覧」をご覧ください。