渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。
先日、渋谷区議会区民環境委員会が開催され、渋谷区の落書き対策が報告されました。
これがAIを使ってなかなか面白い取り組みだったのでご報告します。
<落書きけしの実績>
LINEや電話、メール等で通報を受け、権利者等と相談・調整し、実際に消去するとのことです。
令和4年は通報426件、うち対応不能(重複や場所不明等)が100件、消去に至ったのは293件・面積にして2730㎡だそうです。約9割が消去に至ったとのことです。
ただし、そのうちの12件は再発しており、その面積は124㎡に及ぶとのこと。再発までの平均日数は110日と短く、最短だと翌日に書かれたものもあるとか。同じモチーフが描かれ、縄張り意識を持っていることが推測されます。
なお、落書きけしの費用はだいたい1㎡あたり3.4万円が目安とされています。
<AI活用>
AIについては「消去実績AI分析システム」が構築されています。
撮影した画像を解析するもので
- R3バージョン:①落書きの特定②落書き面積の算定③美化指数の設定
- R4バージョン:①落書きの特定(精度向上)②落書き面積の算定③美化指数の設定 ④落書きの種類・犯人の分類⑤消去所要額の推定
と、徐々に進化しています。
特に「④落書きの種類・犯人の分類」は、マップ化での行動分析が可能になりました。主な落書き犯人にはコードネームがつけられ、この中から逮捕につながる事例も出てきています。
<落書きは犯罪になります>
落書きは「器物損壊」となって逮捕されることがあります。
実際、2021年~22年に渋谷区が把握しているだけで4件の器物損壊による逮捕がありました。
「割れ窓理論」というものがあります。小さな故障を放置していると、街が荒れてくるというものです。今回の落書きも、この「割れ窓理論」を背景に渋谷区が取り組んでいるものです。
どうか、落書きのない渋谷区づくりにご協力ください。
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