埋立地の光景(写真AC)




渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。




6月5日の渋谷区議会本会議では、家庭ごみ有料化も含めたごみ減量化のさらなる対策を求めようと思っています。




「家庭ごみの有料化」という言葉を聞けば、正直いって反発を感じる方が多いのは当然だと思います。
ただでさえ物価が上がり、日々の生活が厳しい中で、これまで無料だった家庭ごみの処理に負担を求める。歓迎される話ではありません。




私も、家庭の負担が増えることを軽く考えているわけではありません。しかし、政治として本当に向き合わなければならないのは、単に「有料化に賛成か、反対か」という話ではありません。




東京23区のごみについて、子どもたちの世代は苦労しないか?




この問題です。





東京港内で使える最後の最終処分場




東京23区で出たごみは、焼却や資源化などを行った後、残った灰や処理残さが東京湾の最終処分場に埋め立てられています。
現在使われている新海面処分場は、東京港内で使用できる最後の埋立処分場とされています。中央防波堤外側埋立処分場と合わせて、今後50年以上の埋め立てが可能とされています。




「50年以上もあるなら、まだ急がなくてよい」と思われるかもしれません。しかし、これは裏を返せば、その先に新しい処分場を簡単につくれる見通しがないということでもあります。




最終処分場が限界に近づいてから、急にごみを大幅に減らそうとしても、生活や事業活動への影響は大きくなります。イノベーションでごみが劇的に減ったり、新たな処分方法が開発されたりするかもしれませんが、淡い期待に賭けるわけにもいきません。




また、考えたくはないですが天災でおびただしい災害廃棄物が出てしまう可能性だってないとは言えません。




時間をかけて少しずつ、できるだけ無理なく対策を進めるためにも、今から議論を始める必要があります。




家庭ごみ有料化だけで解決する問題でもない




ここで大事なのは、家庭ごみ有料化だけを取り出して議論しないことです。




繁華街や商業地、オフィス、来街者の多い東京都区部では、事業系ごみが非常に多くの割合を占めますからこれへの対策も極めて重要です。




実際、特別区長会の検討でも、家庭ごみ有料化だけではなく、事業系古紙の搬入規制や廃棄物処理手数料の見直しなどを含め、ごみ減量施策を組み合わせて検討する方向が示されています。




  • 食品ロスの削減
  • プラスチックなどの資源化
  • 事業者への減量支援とルールづくり
  • 再資源化技術の活用



なども、同時に進めていく必要があります。




とはいえ、ごみ量が相対的に少ないから、多少減少傾向だから、家庭ごみについて最初から議論の対象外にしてよいのか。私は、そうは思いません。





「無料がよい」という感覚は当然です




家庭ごみは無料のままの方がよい、税金も払ってるんだし。これは、生活者として当然の感覚だと思います。




とはいえ、東京都区部以外の多くの自治体は家庭ごみの有料化に踏み切っています。実に67.3%です(令和6年度・環境省)。ほかの地域の方には「23区ってごみ無料なの???」と驚かれることも多いと思います。




だから、負担を最小限にしつつ、家庭ごみを減らす有力なきっかけの一つとして有料化も検討していくのが大事だと思っています。




例えば、




  • 低所得世帯や子育て世帯などへの配慮
  • おむつなど、生活上避けにくいごみへの配慮
  • 各家庭、町会、マンション管理組合、地域ボランティアなどが善意で行う周囲の清掃活動への配慮
  • 不法投棄や不適正排出を防ぐ対策



などは、制度を考えるうえで欠かせません。




有料化の目的は、住民に負担をかけること自体ではありません。
少しでもごみを減らすよう促し、最後の処分場をできるだけ長く使い、将来の世代に過度な負担を残さないことです。その目的に合わない負担や、地域の善意を損なう制度設計は避けなければなりません。





将来世代に、より厳しい選択を押しつけないために




私は、こどもたちや将来世代に、できるだけ良い渋谷、良い社会を残したいと考えています。




最終処分場の問題は、まさに将来世代への責任が問われる問題です。今の私たちが負担を避け続ければ、その分、将来の世代がより急激で厳しい対応を迫られるかもしれませんから。




もちろん、家庭ごみ有料化には慎重な意見もあるでしょう。ごみ減量の効果、家計への影響、制度運用の課題など、丁寧に検証すべき論点もあります。だから私は、「家庭ごみ有料化をすぐに実施すべきだ」と一足飛びに言いたいわけではありません。




負担が生じる可能性があるからといって、最初から選択肢から排除し、議論すら避けることが適切ではないと考えます。




事業系ごみ対策を強力に進める。資源化や食品ロス削減をさらに進める。それに合わせるように、家庭ごみの有料化についても、生活への十分な配慮を前提に、効果と課題を正面から検討する。




要するに、やれることは全部やるべき。それが、最終処分場を延命し、将来世代への負担の先送りを少しでも減らすための、現実的な姿勢ではないでしょうか。




ご批判や反発もいろいろあると思います。それでも、将来世代に責任を持つ立場として、今回の議会質問でこの問題を取り上げます。