2002年11月2日就職講演会での原稿
本日皆さん方にお伝えしたかったことは、『原点の大切さ』、もっと簡単に言うと『自分の価値観を知ることの大切さ』です。
お話しましたように、私が政治の世界で、さまざまな問題や障害、力不足、無知などに挫折せずにがんばっていけるのは、先ほどの『僕、バカだから』の少年という『原点』を大切にしているからなんです。

しばしば就職活動生から訊ねられるのは、『本当にここに入っていいのかわからない』っていう悩みです。本当にここで頑張っていけるのか、それとも別な業界がいいのか。もっと自分に合うところがあるかもしれない。そんなことをよく相談されます。
私が思うのは、就職活動に失敗する人は『自分のやりたいこと』とか『自分なりの基準』が希薄なのではないかということです。面接から入社までは会社も学生もそれなりに『着飾』って、自分をできるだけ良く見せようとする。そんな中でいいかげんな基準しか持っていないと、仕事を始めてから『現実』とのズレに悩みかねません。

じゃあ、そんなミスマッチをどうやって避けるか? それは結局自分を知ること、自分の原点や価値観を知ることなんだろうなと思います。
自分はなにをしたいのか、どんなときに充実したって思うのか、あるいは何が強みなのか。このような『自己分析』が必要なんだと思います。ただ、自己分析もつい能力的なこととか、あるいは数値に偏りがちになっていませんか? それって、自信のなさの裏返しなんでしょうね。むしろ自分なりの『心象風景探し』『原点探し』が必要なんです。

私の場合、あの「僕、バカだから」の子に出会って以来、辛いことや大変なことがあって、挫けそうになっても、あのときのあの子の顔を思い浮かべるだけで新鮮な怒りが込み上げてくる。怒りってめちゃめちゃパワーになりますから、『ちくしょうっ!!』ってね。それで結構な障害も乗り越えられてきたし、落選したときも諦めないでがんばることが出来た。もちろん政策的にもぶれません。
自分の体験や経験から出てきた実感だからこそ、ものすごい原動力になるんです。

自分なりの原点を見つけて大切にしていけば道は開けていくと思うし、まっすぐ前を向けます。『初心わするべからず』といいますが、まず自分の『初心』の奥の奥を、今しっかりと見つめ直してみること。そうすれば、どんな挫折があっても、就職活動で一度や二度失敗しても、幸せに向かって努力できるんじゃないかと思います。

皆さんの将来の活躍を楽しみにしています。本日は長い間、ありがとうございました。

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